時短の達人になるために――73のチェックポイント結果を出して定時に帰る時短仕事術

「人生の残り時間を意識するようにしている」「生産性向上のために、収入の一定割合を投資している」「もし、明日死ぬとしたら、今日すべきことが何か、明確になっている」――定時に帰るためのチェックポイントをまとめてみました。

» 2010年07月05日 11時12分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 結果を出して定時に帰る人が大事にしているチェックポイントをまとめてみました。チェックした項目数を数えてみてください。その合計ポイントで、あなたや、あなたの組織の時短スキルを評価する目安にしてはどうでしょうか?

時短スキルの評価スコア

  • 60以上:師範格 師範格のあなたは、自分オリジナルの時間管理法を見つけ出しましょう。そして、その時間管理手法を周囲とシェアしましょう。
  • 50以上:黒帯 あなたの時間管理の手法は非常に高いレベルです。さらに地道に時短のTipsを実行して、少しずつポイントを上げていきましょう。
  • 40以上:茶帯 レベルは中クラス。可能な限り、生産性向上テクニックを実施しましょう。
  • 40以下:白帯 時間に関する基本的なモチベーションがまだ希薄です。1時間目を読み直し、時間資産の希少性を理解しましょう。

チェック 時短スキル
  人生の残り時間を意識するようにしている。
  生産性向上のために、収入の一定割合を投資している。
  もし、明日死ぬとしたら、今日すべきことが何か、明確になっている。
  自分の成し遂げたい価値や人生の目的が明確だ。
  短期の目標と中長期の目標を具体的に持っている。
  顧客サービスについても、本来あるべき価値を意識するようにしている。
  自分のやるべき事柄がどのように関連づけられるか、見える化したことがある。
  複数の選択肢がある場合に、緊急性より重要性を意識するようにしている。
  やるべきことに集中するため、やらない基準が明確だ。
  なるべく自分の時間を高く売る努力を続けている。
  無駄なことに自分時間を消費しないように心がけている。
  自分でなくてもよいことは、積極的に他人にまかせている。
  毎日、一定時間を将来の自分価値アップのために費やしている。
  どんなに仕事が忙しくても、食事・睡眠・運動時間を減らさないようにしている。
  人一倍、体調管理には気をつけ、予防策を講じている。
  会社にとっての自分の1時間あたりのコストを知っている。
  思いついたことでも、重要性の有無に従ってタスクリストに入れている。
  時間を過ごす場合に、その時間で生まれた成果の量や質を意識している。
  効率アップのためのTipsなどを知ったら、必ず1度は実行してみる。
  自分の得意なことや強い部分に、時間を集中投下している。
  やるべきことは、すべてタスクリスト(ToDoリスト)で管理している。
  リストの内容が手帳、PC、付箋などに散在しないように一元化している。
  同一場所で、並行して行えるタスクは、同時に処理するようにしている。
  重要なプロジェクトでは、準備に一番時間をかけるほうだ。
  省力化、自動化のためにPC、スマートフォンなどIT機器を使いこなしている。
  毎日、毎週繰り返してやるべきことは、習慣化できるようなしくみを作っている。
  自分の生産性だけではなく、チームや組織全体の生産性を考えて仕事を選んでいる。
  自分の時間を分、時間、日、月、年と単位の尺度を変えて見るクセがついている。
  プロジェクトでは、まずは最初の2割程度の時間で、全体像を見せる工夫をしている。
  ゴールを設定した時には、必ず、マイルストーン(中間目標)、プロセスに分解し、タスクまでドリルダウンしている。
  想定外のトラブルや遅延に備え、10〜20%程度のバッファをスケジュールに組み込んでいる。
  スケジュールは関係者全員で共有し、進捗を見ながら、柔軟に対応できる。
  タスクリストの行動はすべて具体的で、1日以内で完了するものばかりだ。
  数分で完了する作業レベルタスクは、特に処理タイミングを決めず、すきま時間で処理するようにしている。
  1時間以上かかるような長時間のタスクは、1日のスケジュールに予約をしている。
  タスク処理中は、他の作業を取り除き、仕事に集中するようにしている。
  タスク完了ごとに、短時間のリフレッシュメントや休憩をとるようにしている。
  各々のタスクの所要時間を実際に計測したことがある。
  プロジェクトのスケジュールは過去の実績や類似例などから所要日数を算出している。
  1日に何度も自分のタスクの進捗を管理する習慣を持っている。
  ToDo管理は、ヌケやモレを防ぎ、タスクごとの付帯情報がつけられるような専用ツールを採用している。
  自分が集中できる時間の単位や時間帯を把握している。
  どんなことが起こっても、そのよい面を見つけるようポジティブな思考を持っている。
  効率的に情報収集するために、自分として注目すべきキーワードを持っている。
  デジタルファイルをしまいこむ場合には、ラベリングなど後から検索容易な手順でしまい込んでいる。
  もらった書類がたまりすぎないように、定期的に捨てる、人に渡すなどの整理をしている。
  書類が机などに散乱しないように、スキャナなどでアーカイブしている。
  メモをとる時に、後から利用しやすいように図解を駆使している。
  30秒程度の短い時間でも自分や商品についてスピーチできるよう、シンプルで効果的なメッセージを心がけている。
  入浴時は、リラックスするだけでなく、本を読んだり、オーディオブックを聴いたり、勉強にあてている。
  自分の職務レベルを超えて、経営、地域、社会全体など大局的に物事を見るクセをつけている。
  仕事をカイゼンするためのアイデアを常に考えている。
  人脈形成にかける労力は惜しまないほうだ。
  オフィスや書斎には、生産性を高めるための機材や備品が整備されている。
  辞書登録や入力変換ソフトなど、より少ない入力で文章が書けるように設定してある。
  ブラインドタッチができ、そのスピードは10分間に900文字以上(Sクラス)だ。
  OSやアプリケーションでよく使う操作は、すべてショートカットキーを覚えている。
  Googleなどで検索をする際に、より短時間に目的の情報を見つけるためのオプション検索などの方法を知っている。
  ブログ、Twitterなど新しいソーシャルツールをウォッチし、個人でも活用している。
  時間短縮、省力につながるWebサービスを複数、連携させて利用している。
  物事を分類する際に、モレやダブりがない状態(MECE)を意識している。
  PDCAを実行する際には、計画の前提となる仮説を立て、実行、検証、見直しを行っている。
  送付状、提案書、見積書、会議アジェンダなど頻度の高い文書は、定型フォーマット化して、事あるごとにブラッシュアップしている。
  ケアレスミスが発生しやすい作業については、チェックリストを作っている。
  戦略立案、業務カイゼンなどの目的に応じた代表的なフレームワークを知っており、使っている。
  数値データに関しては、相対・絶対の変換、単位の変換、時系列変化など複数のアプローチでとらえるようにしている。
  短時間で済む会議は、特に予定を決めず、順次、処理するようにしている。
  どんな会議でも、事前にアジェンダを配布し、制限時間を決めて行っている。
  どんな会議でも、決定事項を議事録にまとめ、参加者で共有するようにしている。
  口頭のみの会議ではなく、ホワイトボードに意見や課題が見える化できるように、図解を利用している。
  口頭での会議が必要でも、時間短縮のために、テレカンファレンス(電話会議)を積極的に活用している。
  会議の生産性を高めるため、時間、数、参加人数を減らす努力をしている。
  進捗報告などはメールなどで済ませ、なるべく生産性を向上させるような前向きなテーマで会議を行うように上司や同僚に働きかけている。

集中連載「結果を出して定時に帰る時短仕事術」について

 本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。

 残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。

 ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。

 本書は、しっかり結果を出しながらも、将来の自分価値を高めるための「時短仕事術」を紹介しています。人生の価値感管理から日常生活のタスク管理まで、生産性戦争に打ち勝つためのテクニック満載です。

  • 1時間目:残された時間を価値あるものに
  • 2時間目:仕事も人生もうまくいく! 理想の時間割
  • 3時間目:最少の労力で最大の成果を上げる知的生産の方程式
  • 4時間目:必ず目標を実現する! スケジュール&タスク管理術
  • 5時間目:集中力が劇的にアップする!すきまアクションとじっくりアクション
  • 6時間目:時短の達人が教える! 生産性を高める小さな習慣
  • 7時間目:ITを味方につけなければ、生産性戦争に勝てない!
  • 8時間目:最短で問題解決するための時短思考のツール
  • 9時間目:チームの生産性が飛躍的に高まる! 時短会議のススメ
  • 資料編:時短の達人になるためのチェックリスト

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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