Gear VRの基本的な使い方、動画の撮り方、タッチパッドでUnityのオブジェクトを操作する方法Unityで始めるVR/AR開発入門(2)(1/3 ページ)

HMDの中でも比較的扱いやすいGear VRで体験できるVR/ARコンテンツをUnityで開発する方法を紹介する連載。今回は、Gear VRのホーム画面の操作や「Gear VRのタッチパッドで、どんなことができるのか」といった、基本的なことを解説する。

» 2016年12月19日 05時00分 公開
[薬師寺国安PROJECT KySS]

 HMD(Head Mounted Display)の中でも比較的扱いやすいGear VRで体験できるVR/ARコンテンツをUnityで開発する方法を紹介する本連載「Unityで始めるVR/AR開発入門」。

 前回の「Gear VRとは――UnityでAndroidアプリを開発するための環境構築」では、Unityや、Androidアプリを開発するのに必要なAndroid Studioをインストールして、Gear VRコンテンツの開発環境を構築した。今回からUnityでGear VR向けのコンテンツを作成する具体的な方法を解説していく。

 なお、Unityの基本的な使い方については、連載「ゲーム開発初心者のためのUnity入門」を参照しておいてほしい。

Gear VRの基本的な使い方とホーム画面

 筆者が購入したGear VRには、右側面に「戻るボタン」「タッチパッド」が付いている(図1)。なお、2016年11月10日には新型が発売されており、「ホームボタン」が追加され、タッチパッドが大型化し、視野角が広がっている(参考)。

図1 Gear VRの「戻るボタン」「タッチパッド」

 「戻るボタン」を長押しすると、設定画面に切り替わり、「動画を撮る」(後述)、「画面位置の再調整」などの操作を行える。また、左の一番上の家の形をしたアイコンは、Gear VRの「ホーム画面に戻る」アイコンだ(図2)。新型では、これを指定しなくても、ボタンでホーム画面に戻れるということだろう。

図2 「ユーティリティ」や「設定」メニューがある

 Gear VRのホーム画面は図3のようになっている。ここで、アプリのダウンロードも可能だ。アプリを順次切り替えて表示させるには、タッチパッドの中心ではなく、少し上を指でスライドさせる。

図3 Gear VRのホーム画面

 決定する場合は中心をタップすると決定になり、アプリのダウンロード画面が表示されるようになる。いろいろ触って試してみるといいだろう。Gear VRのホーム画面の操作は動画1になる。

動画1 Gear VRでホーム画面を操作する

 今回は図1のタッチパッドの中心をタップすることで、Unity上でマウスクリックと同じ動作を発生させて、Scene上に配置したSphere(球体)オブジェクトの色を赤/青に切り替える処理を解説する。

 なお、タッチパッドをスライドさせると、Unity上ではマウス操作と同じ動きを検出する。

UnityでGear VRコンテンツを作るための準備

 ここからは、UnityでGear VRコンテンツを作るための準備について説明する。

プロジェクトの作成

 まずはUnity 5.5.0(以降、Unity)のプロジェクトの作成から入ろう。今回のプロジェクト名は「Gear_VR_ColorChange」としておく。プロジェクト名を入力して「Create Project」をクリックすると、Unityの画面が表示される。この中で、Gear VRのサンプルを作っていく。画面は「2 by 3」のレイアウトを使用している。

「oculussing_デバイスID名」ファイルのインポート

 次に、前回保存しておいた「oculussing_デバイスID名」ファイルをインポートしよう。Projectの「Assets」→「Plugins」→「Android」に「assets」フォルダを作成する(図4)。

図4 「assets」のフォルダを作成した()

 このassetsフォルダ内に「oculussing_デバイスID名」のファイルをドラッグ&ドロップする(図5)。

図5 assetsフォルダに「oculussing_デバイスID名」のファイルをドラッグ&ドロップする

Oculus Utilities for Unity 5のダウンロード

 続いて、下記のURLにアクセスして、「Oculus Utilities for Unity 5」をダウンロードする。

 「I have read and agree to the terms of the EULA, Terms of Use and Privacy」にチェックを付けて「Download」をクリックする(図6)。

図6  Oculus Utilities for Unity 5のダウンロード画面

 すると、「ovr_unity_utilities_1.8.0.zip」の保存を聞いてくるので、適当なフォルダに保存して解凍しておく。すると保存したフォルダに「\ovr_unity_utilities_1.8.0\OculusUtilities」というフォルダが作成されて、中に、「OculusUtilities.unitypackage」というファイルが入っている。

 このunitypackageファイルを、Unityメニューの「Assets」→「Import Package」→「Custom Package」と選択してインポートする。Project内にファイルがインポートされて、図7のようなフォルダが作成される。これらのファイルの中には、自分で作ったGear VRのコンテンツに「戻る」機能を実装できるファイルも入っている。これを後ほど使用する。

図7 OculusUtilities.unitypackageを院ポートして作成されたフォルダ

 以上で下準備は終わりだ。次ページからは、UnityでGearVRコンテンツを作り始めよう。

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