「ゼロベース思考」と「時間対価値思考」平本メソッド・ピークパフォーマンス実践シリーズ(2/2 ページ)

» 2006年06月30日 00時00分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
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 もう一度、先延ばしリストを見てください。ゼロベース思考で、「今からスタートするとしたら、やらないほうがいい」というもの。時間対価値思考で、「そこそこの満足感はあるけれど、あんまりメリットがない」というものがないでしょうか?

斎藤 う〜ん……大丈夫です……。

平本 すべての項目は自分の時給以上の価値がありますか?

斎藤 例えば「昨日の取材の原稿を書く」なんて、他の人にお願いのしようがないものがあるんですが。

平本 他の人に変えられない仕事は、自分にしかできない仕事で、時給に見合っているといえます。それはほかの人にはできないですよね。

斎藤 はい、他の人には頼めません。

平本 では、ほとんどないわけですね?

斎藤 はい……というか、他の人に任せられればいいんですが……。

平本 他に何がありますか? 「これは自分じゃなきゃ、できない」ものは。

斎藤 「技術開発部分の開発会社との連絡」が、まだ完全には終わってないです。

平本 それ、自分がやらなくてはダメですか?

斎藤 誰かにレクチャーして引き継ぐよりは、僕がやっちゃったほうが時間的にも早いかな、と思います。

平本 長い目で見て、どうですか?

斎藤 長い目で見たら、「僕がやりたい」です。

平本 やりたいんですね。じゃあ、やりましょう。でもそれ以外のことは、他の人に任せられる可能性があるんですよ。わかりますか? 今、おっしゃったこと以外は、可能性として人に任せることができるんです。

 ちょっと想像してみてください。今の2つのことしかやらない人間って、どんな人間ですか? そういうことしかしなくて、後はやらない。他のことは「レクチャーして教えて、人にやらせる」のは、どんな人間ですか?

斎藤 う〜ん、管理職っぽいのでしょうか……そんな感じです。

平本 一番自分が魅力を感じる言葉って、何ですか? 管理職でもいいし、マネージャーでもいいし、エグゼクティブマネージャーでもいいですが……

斎藤 そうですね……「誰かの成長を助けられる」、そんなイメージです。

平本 「誰かの成長を助ける人」。

斎藤 はい。

平本 そういうアイデンティティだったら、どうです? セルフイメージで、自分が「誰かの成長を助ける人」だと。

斎藤 いいですね、すごく。

平本 だとしたら、いくつか任せられそうですか?

斎藤 そうですね。

平本 こんな風に、セルフイメージを変えてもらわないとダメなんです。ちなみに、リストに書いていることを全部やっている人は、どんな人というイメージですか?

斎藤 すごく、つらそう、見ていてつらそうです。

平本 アイデンティティでいうと、どんな感じですか? つらそうな人、雑用係、なんでも屋……。

斎藤 疲弊している、疲れている人。

平本 「疲れている人」「疲弊している人」というのに対して、「人の成長を助ける人」にセルフイメージを変えてほしいんです。そうすることで、他の人に任せたり、最初に説明した、ゼロベース思考もさらにできるようになります。


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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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