日々のタスクはどこまで細かく書き出すべき?【実践編】シゴトハック研究所

日々の仕事を細かく区切って、タスク管理。ヒロシ主任は作業リストを作り始めましたが、果たしてうまくいくでしょうか。

» 2006年07月21日 23時41分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

 ヒロシ主任は、2週間前の失敗について振り返っています。

ヒロシ主任 なぜ前回はマサヨシ課長に迷惑を掛けてしまったんだろう? 自分で抱え込んでしまって人に振れなかったのはなぜか? 心理的に抵抗がある? うーん、これは慣れていくしかないな……。じゃぁ、人に振るためにはタスクが大きすぎる? あぁ、そうだな。これを何とかすればいいんだ。そういえばマサヨシ課長は、やるべきタスクを洗い出して、作業リストを作ればいいって言ってたっけ。よし、まずは作業リストを作ろう!

 ということでいま目の前にある隔週開催の営業会議資料の作成という仕事についての作業リストを作り始めます。

ヒロシ主任 人に振るには作業をなるべく小さな単位に分けた方がいいな。えーと、まずは……。

 ほどなくして作業リストを完成させたヒロシ主任はマサヨシ課長のもとへ──。

マンガ:ふじたきりん

ヒロシ主任 課長、明日の営業会議の資料ですが、こちらが作業リストになります。

マサヨシ課長 ウム……。ん? キミ、これはずいぶんと細かいな。いや、細かすぎるよ。

ヒロシ主任 えっ!?

マサヨシ課長 この「Excelを開く」とか「シャーペンを握る」っていったい何だね? それにずいぶんリストが長いな。

ヒロシ主任 え、えぇ、前回の資料作成の失敗を振り返ったところ、反省点としてやるべき作業が大まかすぎてうまく人に振れなかったのが原因だとわかったので、なるべく細かくすればいいかなと思いましてですね……。

マサヨシ課長 ……。

 猪突猛進型のヒロシ主任は、細かくすればいいと思って、タスクを粉々にしていました。

マサヨシ課長 いいかね、タスクを分割する時に気をつけるべきことは。

 ということでマサヨシ課長は「タスクを“目に見える成果物”を作る作業に変換する」というコツを伝授します。

マサヨシ課長 つまり、何か目に見えるものを作る作業を最低単位にすればいいんだよ。例えば、「各営業マンから集まってきたデータを担当者別商品別の一覧表に入力する」というタスクなら、このタスクの成果物は「データが入力された一覧表」ということになるだろう。やるべき作業内容と出すべき目に見える成果物の2つが分かっていれば、人に頼む時にも分かりやすいわけだ。

ヒロシ主任 あぁ、なるほどですね! 目に見える成果物、つまりゴールが明確になっていれば1つ1つ確認しながら確実にこなせますね。

マサヨシ課長 ついでに聞くが、各営業マンから集まってくるデータというのは共通のフォーマットになっているのかね?

ヒロシ主任 い、いえ、それぞれの営業マンが独自に工夫した見やすいレイアウトで送ってくるんですよ。個性が感じられて興味深いのですが、正直申しますと面倒なんですよね。

マサヨシ課長 そうしたら、まずはキミが取りまとめしやすいような統一されたデータ入力シートをExcelで作って、これを営業マンたちに配布しておくのが先だな。そうすれば、作業がシンプルになるぞ。

ヒロシ主任 おぉ、確かにそうですね!

 このやり取りを聞くともなく聞いていたタカフミ君が横から口を挟みます。

タカフミ マサヨシ課長、そういう作業ならExcelでマクロ作って、複数のExcelファイルのデータを1つのExcelファイルに自動的にまとめるようにしちゃったらいーんじゃないですかねー?

ヒロシ主任 マ、マクロ?

マサヨシ課長 ウム、そうだな。次回からはそうしよう。ヒロシ君、今回はとりあえず先ほど私が言ったように「“目に見える成果物”を作る」ということを念頭に作業リストを作り直してくれ。

ヒロシ主任 分かりました!

ヒロシ主任のつぶやき)

 分割って大事だなー。でもクレジットの支払いは一括の方がいいよな。金利がもったいないし、ちまちま払ってられないもんな。それにしてもタカフミが言っていたマクロってのが気になるな……。

 まぁ、とにかくは作業リストを作るコツは何となくつかめたわけだし、さっそく取りかかるか!


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