「イメージする」は、「7、たとえを使う」と似ていますが、図を使うこともできます。もちろん、クレヨンで描いてもいいのです。
例えば、「2、図で表す」で描いた業界のポジショニングが、5年後、10年後にはどうなればいいと思うか、イメージを図に描いてみてください。
そして、現状の図と、5年後、10年後の図にタイトルをつけてみてください。どんなタイトルになるでしょうか。キーワードを探すうちに、ああでもない、こうでもない、と頭の中が整理させるでしょう。
タイトルを付けることで、「××(現状)の状態から●●(未来)に向かうのだ」「では●●に向かうために、どうすればいいか」とアイデアが生まれてきます。さまざまなフェーズに、それぞれタイトルをつけてもいいですね。
状況を説明するのに、身近にあるモノを使って説明しましょう。自分の家にあるものや持ち物で、「これって現状を表しているな」というものを選び出し、それを使って説明する。「笑点」の「大喜利」みたいな感じです。
例えば蛍光ペンと4色ボールペンを使って説明するとしましょう。「現状は、蛍光ペンのようなものだ。派手だし、一見、色々な用途に使えそうだけど、1色しか出ないから飽きられるような気がする。蓋もないから、ダメージを受けやすい。我々はこういう方向よりも、4色ボールペンの方に進むべきじゃないか。派手さはないが、4色もあって実用性に優れている」など。
すると、「蓋がないからダメージを受けやすいというけれど、すぐ書けるところが利点ではないか」という風に、別のアイデアも出やすくなります。
何かを見ながら話をすると、物理的に目に見えるのでわかりやすく、話も進めやすくなります。もちろんこの方法は、自分一人で考えるときに使ってもいいのです。
「なんでも叶う魔法の杖があったら」という設定でアイデアを出していきます。その際、魔法の杖として、ペンや棒などを用意しておきます。これを持っていたら、なんでも叶うとしてください。
例えば、「新しいカップラーメンを売る」という状況だとしましょう。この杖を持った人は、なんでも叶うという条件で、カップラーメンをどう売るか言ってください。
(全員笑い)
平本 いいんですよ、これにダメだしはありません。杖を持った人は、ぜんぶ願いが叶うという前提で言ってください。
インプロシンキングがある意味、当てずっぽうであったのに対して、こちらは、叶うという前提で言っているので、ドリーマー的なポジティブな視点があります。
職場の同僚や仕事仲間に、いつも通りメールを書いても何も変わりません。普段書かないような人に書いてみましょう。一番面白いのは、自分宛てにメールを書くことです。
ある案件について、「自分なりに、こうじゃないかと考えているのだけど、君はどう思う?」という感じで自分にメールを書きます。そして、それを数時間後か翌日に読んでみましょう。すると、「なかなかよく調べているな」と思ったり、「甘いな、お前は」と感じたりするはず。出てきたアイデアを自分の中だけで処理するのではなく、一度外に出して見てみることで客観視できるのです。これは視点を変えることにも通じます。
読んだ感想や思ったことは、また自分宛にメールを返信しましょう。「君のココの考えはいいけれど、あの部分は甘くて、アレはもうちょっとこうしたほうがいい」「この線で行くしかないよ」などと自分に書く。もしくは、自分宛てに質問をする。そして、それに答える。
これを何度かやっていると、独りでに答えが出てくることがあります。
エグゼクティブコーチ 代表取締役
ピークパフォーマンスコンサルタント
平本相武(ひらもと あきお)
1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。20数年にわたり、深く心理学・瞑想・メンタルトレーング法などを日本各地・米国・インド他で学び続け、500種類以上の心理学・自己啓発系セミナーを研究・実践し続けてきた。その成果は、刑務所や病院でのカウンセリングをはじめ、一部上場企業での研修、トップアスリートおよび経営者等各界のリーダーへのサポート、執筆活動などを通して世の中に送り出されている。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。
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