続いて、「頭の中の気になること」を書き出すときに、「お勧めの書き出し方」と「お勧めじゃない書き出し方」をそれぞれ見ていきたいと思います。
研究会では「頭の中の気になるもの」を書き出すときに「将来の希望みたいなものも書き出しますか?」という質問を受けました。答えはYESです。気になるものすべてなので、実際の「仕事」ではなくても「将来行きたい国」や「いつかやってみたいこと」も書き出してもらいます。
将来のことまで書き始めると無数に書き出せるよ……と不安になる方もいると思いますが、それらも含めて書き出してこそ、頭の中がすっきりします。ただ、実際やってみるとそれほど無数に出てくるものでもないですよ。
頭の中の気になることを全部書き出した後は、「処理」のプロセスで適切なリストに転記していきます。ここで最初に説明したのは「書き出したことそのままがリストに転記されるわけではない」ということです。リストに書き出すときはとにかく書き出すので、その表現は一般的にあいまいだったり、ざっくりしていたりすることが多いでしょう。「A社提案」「ダイエット」などといった項目が並ぶことが多いのではないでしょうか。
ただしこうしたあいまいな表現では、実際にどんな行動を起こしてよいかが分かりません。そこで最初にそれについてちょっとだけ考えることが重要です。GTDのフローチャートでは「これは何か?」と表現されていますが、個人的にしっくりくるのは「これに関して求める結果は何か?」だと思っています。
それぞれに関して理想の結果を想像すれば、おのずととるべき行動が分かってきます。そうなればリストに転記するときも、どのリストに振り分けるべきかが分かりやすくなります。また、もしかしたら最初に書き出したものは必ずしも目的に合致した方法(=アクション)ではないかもしれません。ここでは場合によっては最初に書き出したものを書き換えてしまってもかまいませんので、求める結果をちょっと考えて適切なアクションを設定するようにしましょう。
例えば「A社提案」の求める結果が「受注する」だった場合、きっちりした提案書を書くのが最善なのか、担当者と仲良くなるのが最善なのか、または他の方法がもっといいのか、少しだけ考えて、適切な行動に書き換えてからリストに転記するようにしましょう。
処理のプロセスを行っていくと、だいたい「いつかやる、多分やる」「プロジェクト」「次にとるべき行動」「カレンダー」のどれかのリストに分類されていきます。当日参加者から質問が来たのは「どのリストにどれぐらいの数の項目が来ますか?」というものでした。
これは個人差があるかもしれませんが、個人的には右のグラフのような配分になっています。
実際、現在「いつかやる、多分やる」には200個ほど入っています。そして「プロジェクト」は20個強でしょうか。GTDを始めると「いつかやる、多分やる」リストにたくさん項目が並びすぎるのですが大丈夫でしょうか……という質問を受けますが、全く問題ありません。すべてが見直せるところに存在していることが重要なので、特定のリストに項目が偏ることは気にする必要はありません。
また個人的に気をつけているのは「プロジェクト」や「次にとるべき行動」に項目を入れすぎないことです。この2つのリストは「今週手をつけるべき項目」のリストなので、少なめに見積もっておいて「今週はなかなかうまくいっているぞ」と充実感を得ることがときに必要になってきます。もちろん諸般の事情で難しいこともありますが、あまり自分にプレッシャーをかけないようにバランスを考えると良いでしょう。
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