Whatを見つけて、今いる会社でオンリーワンの自分になる自分らしいキャリアを築くために(1/3 ページ)

今回からは、より実践的に、Whatを引き出す方法を学んでいきます。まずは、現職レベルのWhatを引き出す方法を紹介します。

» 2006年12月18日 00時05分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 現職レベルのWhatを見つけるには、大きく6つのポイントで考えていきます。

現職レベルのWhatを見つける6つのポイント
  ポイント                    
1                  入社の「きっかけ」
2 入社当初
3 業務
4 人間関係
5 現在
6 現在から未来へ

Whatを引き出すための6つのポイント──入社の「きっかけ」

自分らしいキャリアを築くために
  連載タイトル
1 キャリアに「目標」は必須ではない
2 判断&行動の基準「What」を明確にする
3 みんな「どうしたら?」は得意だけど……
4 4つのレベルでWhatを引き出す
5 どうやって“What”を引き出せばいいか
6 個人のWhatと会社のWhatの共有ゾーンを広げよう
7 Whatを見つけて、今いる会社でオンリーワンの自分になる

 まず1つ目は、入社した「きっかけ」です。自由主義の社会ですから、皆さんが街を歩いていて、いきなり拉致されて今の会社に入れられたわけではありませんね。「気が付いたら入っていた」ということはなく、必ず入社したきっかけがあるはずです。

 「ぜひ、こんなことをやりたいから」「インターネット関連で、勢いのあるところで、ぜひ働きたかったから」と、ポジティブなきっかけもあれば、「やっぱ、おれにはこれしかないよな?」「やっぱり、こうなっちゃうかぁ」というような、ややネガティブなものもあります。もしくは、「前の会社が、どうしても嫌だったから」という人もいますね。

 人間の基本的な行動の原則は、苦痛を避けるか、快を求めるかしかありません。「前の会社の苦痛を避ける」というきっかけの人もいれば、「今のところは悪くはないんだけど、新しいほうが快になるかもしれない」「出版業界も悪くはなかったんだけど、Webというもっと活気のある分野に行きたい」などですね。同じことの裏表なのですが、必ずどっちかの理由があります。

 中には、「そんな、きっかけなんて、ないですよ」と、やむを得ず入ったという人もいます。「やりたくてやってんじゃないよ、食っていくためには仕方がないんだよ」みたいな人にでも、「じゃあ、仕方がないかもしれないけれど、前の会社、何かが嫌だったからやめたんでしょう?」と聞くと、「それはそうだよ」と言います。ただし、きっかけが前向きだろうと、ネガティブだろうと、それが良い/悪いということは全くありません。

 ともあれ、きっかけがあります。このきっかけの裏に、「本当は今の会社で何がしたいか」「何を大事にしたいのか」ということが含められています。

ポイント2──入社当初

 そして、2つ目のポイントは「入社当初」です。だいたい反応が2つあり、「良かった!」という人と、「うわ〜、ヤバイ! ここ、違ってた」という人とがいます。

 良かったという人は、何が良かったと思ったかを考えてください。「期待していたものが手に入って良かった」という人もいれば、「期待していたわけじゃないけれど、来てみたら案外、良かった」という場合もありますね。いずれにせよ、「良かったことはなんだろう」と考えてください。

 逆に「嫌だった」という人もいます。そういう時は何が嫌だったのかを考えてほしいのです。「前の会社で、Aが嫌だったからBにしよう、って思って来たけれど、BはAよりもっと嫌だった」ということがありますね。例えば、前の会社ではパソコン向かってばかりいたので、「とにかく外に出たい!」と思ってこの会社に入ったら、外に出るほうが辛い。パソコンに向かっているほうが楽だった、というような場合です。

 このように、希望して来たのに、それが合わなかった人もいれば、Bを希望して入ったのに、Bをやらせてもらえなかった、ということもあります。「外に出られると聞いてきたのに、事実上、パソコンに向かうことばかり。これじゃ、何のためにきたのか分からないよ」、というような場合です。

 こののように、良かったことでも「予想していた良かったこと」「予想外で良かったこと」があり、嫌だったことも「予想通りになったんだけど、それが嫌だった」場合と、「やっぱり予想通り行かなくて嫌だった場合」とがあります。このあたりを細かく振り返ると、「やっぱり何が大事なの?」「本当はどうしたかったの?」というヒントが含まれています。

 また、人と物事、それぞれに関して、ざっくりでいいので両方考えてみてください。「ここ、人はみんないい人ばかりなんだけど、やっぱりやりたい仕事じゃない」とか、逆に、「やりたい仕事なんだけど、あの雰囲気、なんとかしてほしい」というように、人と事に関して、なにかしら印象が必ずあるはずです。

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