朝7時からの「ウォーキングレッスン付き朝食会」に行ってきた

冬の朝に起きるのはつらいが、人と会う約束があれば早起きできるかもしれない。体を動かせば、さらにすっきり目覚められそうだ。ウォーキングレッスン付きの朝食会があると聞き、行ってみることにした。

» 2006年12月19日 18時52分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 筆者は低血圧で朝に弱く、特に冬の朝はつらい。ついぎりぎりまで寝てしまい、遅刻なんてこともある。なんとかならないかと考えた結果、前もって「何か楽しいこと」を用意しておけば布団から出やすくなることに気づいた。例えば、前日にお菓子を買っておいて布団から出たら食べたりする。しかし欠点は、布団の中でお菓子を食べてしまうことや、お菓子を食べたあとに布団に戻って二度寝してしまうことだ。それに、お菓子のカロリーによる体重の増加も気になる。

 それでは「部屋の外に楽しみを用意する」のはどうだろうか。とにかく這ってでも部屋から出てしまえば、いくら怠け者の筆者でもわざわざ部屋に戻って二度寝はしない。しかも、その外出先に他人がいれば話をしているうちに自然と目が覚める。そこで運動もできるならば一石三鳥ではないか。

 社会人による有志の朝食会はあちこちで開催されているが、就職支援やセミナー事業などを行っているジョブウェブが開催する朝食会ではウォーキングレッスンも開催しているとのことで、早速見学に行くことにした。

 この朝食会は2006年3月に開始して以来、お盆を除いて毎週開催しているという。基本的にはホテルのレストランで行っているが、ウォーキングレッスンのある回は六本木のジョブウェブ本社で開催する。

 参加した12月19日は、朝食会としては36回目、ウォーキングレッスンとしては2回目だった。スケジュールは、7時から30分間は用意された軽食をとりながらの交流会、7時30分から8時まではみのわ愛さんによるウォーキングレッスン、その後は出社時間に合わせて流れ解散となる。軽食とウォーキング講習費を含めた今回の参加費は1000円だ。

朝食会を担当するジョブウェブの佐藤和男さん

 朝食会を担当する佐藤和男さんは「最初は月曜日に開催していたのですが、月曜日だと会社の朝礼などがあって参加が難しいという声が多く、途中から火曜日に変更しました。できるだけ週のはじめに近い方が、みんな疲れていないので集まりがいいと思います。また、最初は開始時間を朝7時30分からとしていたのですが、そうすると8時くらいまでに人が集まり、やや遅いという意見もあったので、30分早めて7時からに変更しました。これで7時30分ごろにはみんな集まるようになりました」と話す。

朝食会にはドイツ人の女性も参加していた(左の写真中ほど)。話を聞いてみると、日本には休暇で来ており、この会には日本人の友人に誘われて一緒に来たという。日本語はほとんど理解していなかったが、楽しんでいたようだ

 筆者は取材として訪ねるのだから、きっちり朝7時に着こうと考えていた。しかし、冬の朝の厳しさに負け、10分ほど遅刻してジョブウェブ本社に到着した。それでも普段ならまだ夢の中にいる時間だ。

 反省しながら中に入ると、30人程度の人が立食形式で歓談している。普段の朝食会の参加者は20代の社会人が多いが、ウォーキングレッスンの日はもう少し年齢の高い人が増えるそうだ。

ウォーキングレッスンは「シュン・シュン」

みのわ愛さん。デューク更家さんに師事してウォーキングを学んだ「公認ウォーキングスタイリストプロフェッサー」だ

 7時30分になると、食事を載せていたテーブルを部屋のすみに寄せて、ウォーキングレッスンが始まる。講師のみのわ愛さんはデューク更家さんに師事してウォーキングを学んだという。「今回は、ほんのさわりだけですが」という挨拶で30分間のレッスンをスタートした。

様々なポーズを指示するみのわさん

 「肩を回して」「隣の人と手をつないで」「手を組み合わせて、頭の上に上げて」、みのわさんはきびきびと声をかけてさまざまなポーズを指示する。学生時代の体育の時間を思い出したが、あの頃の体育教師は「『シュン・シュン』と言って」などという指示は出さなかった。ちょっと恥ずかしいが、これは内臓脂肪を燃焼させるためだそうだ。みんなが恥ずかしがることもみのわさんには分かっているようで、ときおり笑いを取りながら進める。

最後は部屋の端から端まで歩いて終了

 レッスンが終了すると、再びテーブルを戻して立食歓談モードに戻った。始業時間が近いのか、かばんとコートを持ってこの場を離れる人もいる。

 今回の参加者は最終的には38人になったそうだが、佐藤和男さんは「朝食会を開始して間もない頃は人が集まらず、ジョブウェブのスタッフを含めて4人ということもありましたが、最近は毎回10人以上になりました。ホテルのレストランで15人程度になってしまうと、場所を確保しにくいのが現在の悩みです」と話す。

 ホテルで朝食会を行うときは、どのように運営しているのだろうか。「参加者全員に何か発表してもらっています。『年末の過ごし方』や『私だけが知っている仕事のコツ』など、その場でなにかお題を決めて話してもらい、そのあとで自由に会話する時間を設けます」

 また佐藤さんは「現在は朝食会にセットしているイベントはウォーキングレッスンだけですが、今後は話題の本の著者を呼ぶなど、他のイベントもやってみたいですね」と意欲的だ。

歓談する参加者

 一方、参加者は何を求めて朝食会に参加しているのだろうか。9月頃からほぼ毎週参加しているという生命保険会社勤務の男性(20代)は、「毎日朝5時に起きています。他の日は朝7時に会社に行って勉強をするのですが、たまにこういう場に来るのも楽しいですよ」という。筆者にはとてもできそうにない生活だ。どうして毎朝そんなに早く起きられるのだろうか。「早起きすると1日が長く感じられて得した気分です。この会が終わってから眠そうな顔で出勤する人を見ると優越感を感じられますね」と満足そうに笑った。

 普段なら筆者がやっと目覚めた頃の時間に街を歩きながら、「確かに早起きは(目が覚めてしまえば)気持ちいい。しかし、昨晩布団に入ったのも遅かった。昼過ぎに仮眠枕のお世話にならなければいいが……」と淡い予感を感じながら会場をあとにした。

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