中間管理職の姿勢「組織方針に従って」が半数以下に

日本経営協会がまとめた「日本の中間管理職白書2007」によると、中間管理職の仕事全般に対する取り組み姿勢について「組織方針に従って」が47.6%と1位だが、51.2%だった前回調査と比べて減少し、半数以下となった。

» 2007年02月26日 18時50分 公開
[吉田有子,ITmedia]

 中間管理職の仕事全般に対する取り組み姿勢について、「組織方針に従って」が47.6%と、51.2%だった前回調査と比べ減少し、半数以下に――日本経営協会の「日本の中間管理職白書2007」では、こんなことが明らかになった。これは、2005年の第1回調査に引き続いて2006年に実施した「第2回日本の中間管理職意識調査」をまとめたもの。

 とはいっても、「組織方針に従って」は相変わらずのトップだ。次に多かったのが「担当業務に限らず時代を先取りする気持ちで」で40.7%となり、前回同じ回答をしたのは41.2%。「組織方針に従って」は中小企業に多く、「時代を先取り」は大企業に多い傾向があったという。

 “組織方針に従う派”と“時代を先取り派”はどちらも減少しているが、前回調査と比べると両者の差は縮んだ。日本経営協会は「“時代を先取り派”の方が仕事に対してより積極的なスタンスを持っているのではないか」とコメント。大企業勤務者の方が、組織方針や担当業務に縛られず、時代を先取りしたいとの意識が強いが、中小企業勤務者との違いは小さくなっている――と言えそうだ。

 「自分に求められている役割」としては「部下・後輩の育成」が85.0%と最多。次点の「部門目標の達成」は74.2%と、10%以上の差がある。これらに次いで、「担当部署の活性化」が55.1%、「会社目標の達成」が51.6%と続く。

 人事のあり方は、1位が「成果主義は欠点もあるので修正して実施すべき」で53.8%、2位が「年功序列などの日本的経営と成果主義を折衷すべき」で24.0%、3位が「成果主義は時代の要請なので当然実施すべき」で18.7%。抱えている問題や悩みの1位が「業務量が過大」で41.2%、2位が「業務目標のハードルが高い」で20.5%、3位が「他部署との連携が不調」で19.6%。人事、悩みともに前回調査と同様の順位だった。

 日本の中間管理職意識調査は、企業・団体における部長・課長クラスの中間管理職といわれるビジネスパーソンの実態を探ることが目的。組織構成からみると「上と下の板挟み的階層」であり、何かと苦労の種が尽きないが、日々の業務の実質的な推進役であり、企業経営の中心的人材層である。このため「中間管理職の意識や行動についての調査が必要だ」(日本経営協会)という。

 この調査は、2006年10月初旬〜11月27日に行った。300以上の企業・団体に調査用紙10通を1セットとして郵送または持参し、546人の中間管理職からの回答を得た。

 日本経営協会は「前回と今回の調査にはおおむね同じような回答が得られた」という。今後は1年おきに調査する方針だ。

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