コマンドラインの復活Geek to Live

コマンドラインなんかに縁はない、と思っている人も、実は毎日お世話になっている。昨今の“コマンドライン回帰現象”を取り上げる。(Lifehacker)

» 2007年03月01日 15時02分 公開
[Gina Trapani,Lifehacker]
LifeHacker

 グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)の登場は、パーソナルコンピューティングの一大革命だった。ポイントしてクリックするだけのアイコンを備えたウィンドウシステムのおかげで、黒い画面上で難解なコマンドの入力を待つプロンプトを前に、お手上げ状態だった人たちもコンピュータを使えるようになった。だが、それから何年か経ち、インタフェース革命は、一周して出発点に戻った観がある。パワーユーザーの間で──また普通のユーザーの間でも徐々に──最近のWebアプリケーションやデスクトップアプリケーションで、コマンドラインの利用が復活しつつある。

 「コマンドラインなんか使ってない」と思う人でも、実は使っている。最近のパーソナルコンピューティングに採用されたコマンドラインインタフェース(CLI)を幾つか取り上げて、信頼のおける老練なコマンドラインへの回帰現象を詳しく見ていこう。

 ここでは、CLIを、「入力された内容を基に複雑な操作を実行できるシングル入力ボックス」と定義する。コマンドラインを使っているのは、UNIXオタクやTerminalフリーク、Cygwinエキスパートだけじゃない。皆さんも、毎日使っている──恐らくは、1日に何回も。一番いい例が、Googleの検索ボックスだ。

検索ボックス

 「検索ボックスはコマンドラインじゃない」と言う人もいるかもしれないが、これも確かにシングル入力ボックスだ。そして(GoogleのAdvanced Operatorsのような)専用テキストコマンドを使って、複雑な計算為替換算、ファイル形式やサイトの特定などが行え、ネストされたコマンドも使える。例えば、ここで紹介した下記のようなGoogle検索を行えば、ページの中のリンクにNirvanaという単語を含んだ、特定形式の音楽ファイルをWeb全体から探し出すことができる。

-inurl:(htm|html|php) intitle:"index of" +"last modified" +"parent directory" +description +size +(wma|mp3) "Nirvana"

 Google Desktopでも、ローカルマシンに対して同じことが行える。[Ctrl]キーを2回押してGoogle Desktopの検索ボックスを呼び出そう。GoogleのWeb検索製品で提供されているAdvanced Operatorsがすべて使用可能だ。

 (さらにGoogle Desktopを究めたい方はこちら(Biz.ID翻訳記事)を参照。)

 Microsoftも、Windows Vistaで一部、Googleのやり方に倣っている。

 Vistaでは、Windowsキーで、スタートメニューが呼び出されて検索ボックスにカーソルが合う。欲しいものにすぐアクセスしたい場合は、ここでキーワードを入力する。

Firefoxのロケーションバー

 もう1つ、あまり意識されていないコマンドラインの例に、Firefoxのロケーションバーがある。これは、Webサイトのアドレス入力のためだけにあるのではない。筆者と同僚のアダムは、Firefoxのクイックサーチ機能に夢中だ。これは、URLにキーワードを割り当てて、特定のサイトに簡単にアクセスできるようにする機能。どんな動きをするか言葉で説明するのは難しいので、最近の筆者のお気に入りを例に、ショートムービーにまとめてみた。下記をクリックするとウィンドウがポップアップする。

Webコマンドラインとしての、Firefoxロケーションバー

ヒント1 [Ctrl]+[L]でマウスを使わずロケーションバーにアクセスできる

ヒント2 事前にブラウザにクイックサーチを設定しよう

クリックでLifehacker.comオリジナルのムービーへリンク


 Firefoxのクイックサーチ設定方法はこちら。またアダムが、さらに一歩前に進めた手法をこちら(Biz.ID翻訳記事)で紹介している。

 Windows用のLaunchyのようなアプリケーションランチャーや、「真の次世代CLI」とでも呼びたいMac用のQuicksilverも、CLIへと向かう流れの先頭に立っている。

なぜCLIなのか?

 「なぜポイント&クリックじゃダメなの?」と思うだろう。頻繁に実行するタスクの場合は、CLIの方が、生来的に効率よくこなせるのだ。筆者は書籍「Lifehacker」の第4章の冒頭にこう書いた。

 表通りと裏道の違いは、表通りを歩いた方が簡単──だが時間がかかる──ということ。しかし、毎日通う道であれば、裏を抜ける近道を学ぶために時間を割くことにも意味がある。


 GUIはA地点からB地点へ到達するための「表通り」だ。明解で、簡単で、直観的だが、時間は比較的かかる。かたやCLIは、学習には時間を要するが、目的地に短時間でたどり着ける。

 皆さんは日々のコンピュータ操作でどのくらいCLIを使っているだろう? コメントを寄せてほしい。

本稿筆者ジーナ・トラパーニはLifehackerのエディター。優秀で強力なテキストコマンドが大好き。Lifehacker上で毎週水曜と金曜にGeek to Liveコラム(フィード)を連載中。



この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。

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