スキャナ付きホワイトボードには2種類あるのをご存知?仕事耕具

会議で大活躍のホワイトボード。特に最近、需要を伸ばしているのはスキャナ付きタイプだ。スキャナ付きホワイトボードは2種類あるのをご存知だろうか――。

» 2007年03月19日 23時12分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 最近、需要を伸ばしているのはスキャナ付きホワイトボード。社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)によると、国内出荷台数は2006年の3万1421台から、2007年は3万7013台に増加すると予測している。

フィルムが動くのか、スキャナが動くのか

 実はスキャナ付きホワイトボードは、大きく分けて2種類のタイプがあるのだ。1つは、ボード表面が可動式のフィルムになっていて、ボードの脇に固定されたスキャナで読み込むタイプ。もう1つは、通常のホワイトボードに可動式のスキャナが付いたタイプだ。つまり、フィルムが動くのか、スキャナが動くのかの2つの違いである。以後、動く部分に合わせて「フィルムタイプ」「スキャナタイプ」と呼ぶことにする。

 販売するメーカーが多いのは、フィルムタイプだ。「パナボード」という名称でスキャナ付きホワイトボードを販売する松下電器産業以外にも、プラスビジョンやコクヨなど複数のメーカーが製造・販売を手がけている。フィルムタイプの特徴は、ボードの裏側が戸袋のようになっており、数枚のフィルムを収納できる。

プラスビジョンの「M-11」シリーズ

 松下電器のパナボードでは、フィルムを折りたたんで収容して最大4面のフィルムが使える「UB-7325」も販売する。同じフィルムが4面あるのではなく、このうち1面はプロジェクタ投影用スクリーン。同社によれば、用途によってフィルムの材質を変えられるのが利点だという。また、背面を確認する必要がないので、壁に吊り下げるような設置方法もフィルムタイプのほうが簡単だ。

スキャナなしとは“一桁違い”、スキャナありなら価格差はほとんどなし!?

 一方、スキャナタイプは現在、松下電器と内田洋行が技術提携して開発したシリーズのみ。通常のホワイトボードと同様に盤面が金属製のため、磁石などでほかの紙の資料を盤面に貼り付け、その資料ごとスキャニングできることが最大のメリットだ。また、あらかじめExcelのようなマス目や日本地図などをマグネットシートとして用意しておけば、会議に応じてその都度利用することも可能だ。

松下のパナボード「UB-2815C」
内田洋行の「書撮りくんMC」

 2面以上利用できるフィルムタイプと比べると、スキャナタイプは通常のホワイトボードと同様に裏表の2面しか使えない。一見短所のようにも思えるが、ボードの消し忘れを確認するためには全フィルムを回して確認する必要がある手段がフィルムタイプと異なり、スキャナタイプでは表と裏を見るだけで簡単に確認できるのも特徴だ。ただし、スキャナ部が動く構造や裏表を使う構造から、壁に吊り下げるような設置方法は「一般的ではない」(松下電器)という。

 フィルムタイプ、スキャナタイプの両方を販売する松下電器によると、いずれとも価格は20万円程度とほとんど差はない。スタンダードな製品の価格はフィルムタイプ(UB-5311)が18万2700円、スキャナタイプ(UB-2315)が20万8950円。一見、フィルムタイプがお買い得のように思えるが、設置の自由度が高いフィルムタイプでは本体を支えるスタンドが別売りとなっている。オプションのスタンドは25200円なので、フィルムタイプの本体とスタンドを合計すれば、スキャナタイプとの価格的な差はほとんどないである。

 なお、スキャナがない通常タイプのホワイトボードは3万円程度。スキャナ付きを購入する場合は、「ゼロが一桁増える」と覚えておくといいかもしれない。

インタラクティブタイプもある

 このほか、松下電器ではフィルムタイプの製品ラインアップに「インタラクティブタイプ」(UB-8325)を揃えている。このインタラクティブタイプは、フィルムに書き込んだ内容をキャプチャするために赤外線センサーを設置したもの。例えば、インタラクティブタイプに接続したPCで、PowerPointのスライドを行った場合、専用ペンを使ってフィルム上に書き込みすると、PC内のPowerPointデータに反映されるのだ。

インタラクティブタイプのUB-8325

 価格は36万5400円と、通常のフィルムタイプやスキャナタイプよりも高い。そのためか、基本的な用途は「学校やPC教室など」(松下電器)と、やや特殊。とはいえ、本番前のプレゼンテーションの練習などに使えば、見てもらった上司の赤入れを直接PowerPointに反映できるから、本番で間違いなくプレゼンできる――かもしれない。


 ホワイトボードは「書ければいい」という方もいるだろう。だが、書いた後に利用・共有してこそ、情報の活用にもつながる。スキャナ付きホワイトボードはそんな情報の活用に役立つのではないだろうか。用途に合わせて購入を考えたい。

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