ブラザー、小規模オフィス向けにカラーレーザー複合機を本格展開

「これからはカラーのブラザー」――ブラザーがオフィス向け新ブランド「ジャスティオ」を立ち上げ、スモールオフィス向けカラーレーザー複合機市場に本格参入する。

» 2007年08月20日 21時37分 公開
[宮本真希,ITmedia]

 ブラザー工業は8月20日、新ブランド「ジャスティオ」(JUSTIO)を立ち上げ、小規模オフィス向け複合機・プリンタ市場に本格参入すると発表した。10万円台クラスのカラーレーザー複合機3機種を9月から順次発売。従来のビジネス向け製品も新ブランドに切り替え、1年でA4カラーレーザー複合機市場でシェア50%以上を目指す。

画像 左からHL-4040CN、DCP-9040CN、MFC-9440CN、MFC-9640CW

 発売するのは、カラーレーザー複合機3機種とカラーレーザープリンタ1機種。自動両面スキャン機能や無線LAN機能を備えた「MFC-9640CW」(10月上旬発売)の実売予想価格が12万円前後、FAX付き標準モデル「MFC-9440CN」(9月下旬発売)が同11万円前後、FAXなし「DCP9040CN」(9月下旬発売)が同10万円前後。カラーレーザープリンタ「HL-4040CN」(9月上旬発売)は同6万円前後。

 「これからはカラーのブラザー」――同社の小池利和社長は、都内で開いた発表会でこう意気込んだ。同社の社長が新製品発表会に出席するのは十数年ぶりといい、新製品にかける力の入れようを示した。

画像 ブラザー工業によるレーザープリンタ・複合機の国内市場の予測

 小池社長は「支店や営業所、フランチャイズ店舗の増加などで分散化したオフィスでカラー複合機のニーズが高まっている」と参入の背景を説明。「成長が最も期待される分野」だが、同社のレーザー複合機はモノクロが中心で、カラーは1モデルのみだった。新製品投入でカラーのラインアップを一気に拡充し、拡大する市場ニーズを取り込む。

 同社初のビジネス向け複合機・プリンタブランドとなるジャスティオ(JUSTIO)は、適材適所を意味する「JUST」とイタリア語で「私」という意味の「IO」を組み合わせ、家庭向け複合機ブランド「MyMio」と語尾も合わせた。

 従来のカラー機のエンジンはOEMだったが、本格参入に当たりタンデム方式のエンジンを自社開発した。1回の印刷工程で4色印刷ができる同方式の利点をいかし、カラー印刷速度を1分当たり最大20枚と、同社従来製品の倍以上に高めた。

 複合機の2機種は高さ48.2センチと「ADF付きのA4カラー複合機としては世界最小サイズ」(同社)に抑えた。給紙やトナーカートリッジの交換などは前面で行えるよう設計。狭いオフィスでも省スペースで利用できるようにした。

 複合機3機種の販売目標は、発売1年で合計1万2000台。10万円台クラスの製品投入で、今後カラー化が進むと見られるスモールオフィス市場のニーズに対応し、一気にトップに立つ戦略だ。

画像 左から、ブラザー工業の小池利和社長、ジャスティオのイメージキャラクターに起用された女優の小林麻央さん、ブラザー販売の神谷純社長。小林さんは「自宅では、毎日『MyMio』(ブラザーの家庭向け複合機)を使って仕事の資料をFAXで受け取ったり、新潟の祖母に手紙代わりにFAXを送ったりしているので、ブラザーの製品キャラクターに選ばれてうれしい。オフィス向けの製品は大きくてゴツゴツした印象があるが、新機種は愛着がわく小さめサイズで使いやすそう」と話した

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