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» 2007年11月30日 16時05分 UPDATE

シゴトハック研究所:「自分との約束」を守るには?【解決編】

自分で締め切りを作る方法。例えば映画の最終日を仕事の締め切り日として、仕事が終わったら、ご褒美として映画を観に行く。そのことを周りの人やTwitterやmixiなどで告知する──などの方法が考えられます。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 「自分との約束」を守るには?

 コツ:「負の罰」を利用する


 仕事には締め切りがつきものです。しかし締め切りがあるからこそ、「この日まではがんばろう」というモチベーションが高まるという側面が実際にあります。もし締め切りがなければ「何が起こってもいいように、なるべく慎重にいこう」という“省エネモード”になってしまうでしょう。

 また、締め切りがあっても、締め切りギリギリのところで何とか“やっつける”ような仕事のやり方をしていると、ストレスの原因になるのはもちろん、トラブルを招く遠因にもなるでしょう。

 そうなると、仕事を前倒しするなどして、締切日までに余裕を持つことが望ましい──ということになります。とはいえ、例えば12月20日が締め切りの仕事を自主的に12月15日に前倒しにしてみたところで、本当の締め切りがその日でないことは分かっていますから、さほど効果は期待できません。このような「自分との約束」には強制力が働かないのです。

 かといって、本当の締め切りでは今度はプレッシャーが強すぎます。となると両者の中間に位置する「ほどほどのプレッシャー」が望ましいということになります。このようなプレッシャーを得るにはどうすればいいでしょうか?

イベントを活用する

 例えば、世の中のイベントを仕事の締め切りとして機能させるという方法が考えられます。

 映画好きの人なら、公開中の映画の最終日を仕事の締め切り日として設定してみます。その日までに仕事が終わったら、自分へのご褒美として映画を観に行ってもいいことにするのです。最終日ですから、その日を逃せばもう後がありません。自然とモチベーションもアップするでしょう。

 ただし、これだけでは仕事が終わらなくても、「映画を観たい」という気持ちが強ければ、その誘惑に負けてしまうかもしれません。

 そこで、親しい友人や会社の同僚にあらかじめ「仕事が終わらない限り、映画は観に行かない」と宣言しておくようにします。そして、実際に仕事を終えることができた時には、「終わったので映画を観に行く」とメールなり電話なりして観に行きます。終えられなければ、「映画は観に行けなくなった」と正直に告白しましょう。

 友人や同僚はあなたの上司や監督者ではありませんから、たとえ仕事が終わっていなくても「観に行ってはいけない」とはいわないでしょう。でも、「自分で決めたことを守らない人間」と思われたい人はいないでしょうから、一定の効力を発揮するはずです。

 メールや電話に抵抗があるのなら、Twitterやmixi日記などでつぶやくという方法でも同様の効果が期待できます。

 ただ一つ注意点があります。ご褒美として選ぶ映画は、DVD化されるであろう作品を選ぶことです。DVD化が期待できそうもない作品では、「何が何でも観に行かなければ」という「鑑賞圧」がいたずらに高まってしまうからです。

 こうして、映画という報酬を自分にちらつかせることで、締め切りを守りたいというモチベーションが高められる一方、たとえ映画を観損ねたとしても、そのペナルティは映画館で観られるはずだったものを、自宅のDVDでしか観られなくなった、という程度のものに抑えておくことができるのです。

 ペナルティとはいっても、自分に与える罰が厳しすぎては疲れてしまいますから、この程度のマイルドなものにしておくことで“暴発”を防ぐことができます。

他人や社会の習慣を「負の罰」(失われる罰)として活用する

 今回ご紹介した方法は、きちんと早めに仕事を終わらせなければ、社会や会社が提供してくれるサービスを受け損なうという「負の罰」を活用することで、いやが上にもモチベーションを高めようとするものです。負の罰とは当然「受けられるはずのメリットを受けられないことで生じるペナルティ」のことです。

 例えば、会社で残業をすることになったとしても、

  • 自宅に向かう最終の「快速列車」が発車してしまう22:00には間に合うようにする

 という「ルール」を自分に課すのも1つの方法です。

 このルールを意識することで、22:00までに仕事を終えることができずに最終の「快速」を逃せば、「ゆっくりと家でくつろいで過ごす」というメリットを逃すペナルティを受けることになります。

 でも、このペナルティは、「終電」を逃して高いタクシー料金を払わされるような厳しすぎる「罰」を受けるより、はるかに救われる状況といえるでしょう。

 このように、最悪を回避しつつ、最善と次善の境目を意識し、自分を緩やかなプレッシャーにさらすことによって「自分との約束」は守りやすくなるはずです。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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