フリーアドレスを成功させたGDO、1200日間の熱き闘い新しいオフィス環境──オフィス移転、レイアウト変更のポイント(1/5 ページ)

個人が固定席を持たず、自由な席次で働くフリーアドレス制。主にコスト削減の観点から、近年注目を集めている同制度を、コスト面とは異なる目的で導入したゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)。運用から約2年経過した今だからこそ、決行までの紆余曲折と、その結果つかんだ成功に肉薄する。

» 2008年01月18日 19時28分 公開
[豊島美幸ITmedia]

個人が固定席を持たず、自由な席次で働くフリーアドレス制。主にコスト削減の観点から、近年注目を集めている同制度を、コスト面とは異なる目的で導入したゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)。運用から約2年経過した今だからこそ、決行までの紆余曲折と、その結果つかんだ成功に肉薄する。

※本文の終わりの、現在のオフィス風景がのぞける写真ギャラリーも必見だ

 

 虎ノ門の一等地に一棟まるごと借り上げた、しゃれた4階建てビル。ここが通称“クラブハウス”と冠されたGDOの本社ビルだ。

 ビルに足を踏み入れると、配管がむき出しの高い天井、ほのぐらい間接照明、バーと見まごうドリンクカウンター、そして真っ赤なソファが視界に飛び込んでくる。まるでちょっとしたイベント会場にいるようなスタイリッシュなエントランスだ。だが出勤するだけでモチベーションが上がること必至の、このエントランスに面食らっている取材陣をさらに驚かせたのは、それ以上にぜいたくな内部の造り。現在の社屋に移転したのは2006年3月。実は、その1年半も前から準備を推し進めていたという。

 紙を一切持たず、オフィス内の移動には欠かせない自らのノートパソコンを手に携え取材陣を出迎えてくれた、社長室の曽我一郎氏は説明する。

 「ここに移ってきて、(オフィス面積は)以前の200坪から600坪になりました。社員は200人なのでかなり余裕を持っていますね。みなさんに豪華だと言っていただいているんですが、もし仮に400坪のオフィスに移転した場合は、おそらく3年後にはもう一度移転しなくてはならないと予測したんです。そこで5〜6年は移転をしなくてもいいよう考えた結果なんですよ。2回移転するよりはコスト面でも削減できますから」

 広々としたオフィス設計は、こうした中期的な将来を見越したうえでの結果だった。しかし現在のこのオフィスからは想像がつかないほど、旧オフィスは問題だらけでひどかったという。

 いったいどんな問題が山積みになっていたのか?

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