平等に評価されるからこそ──誰もが挑戦できる「コピー2.0」・赤星琢哉さんひとりで作るネットサービス(2/3 ページ)

» 2008年03月03日 21時00分 公開
[田口元,ITmedia]

「コピー2.0」の盛り上がりから「恋愛575」誕生

「コピー裁判所」の発展形、「コピー2.0」

 プログラミングを覚えた赤星さんは、作りたいものをどんどんカタチにしていった。彼が次に作ったのは「コピー2.0」。コピー裁判所をもっと手軽に楽しめるように、よりシンプルにしたツールだ。コピー裁判所では投稿、一次投票、二次投票という仕組みになっているが、コピー2.0ではお題に締め切りがあるだけで、その期間中は自由に投稿、評価することができる。評価は投票の形式ではなくて、「ナイス」ボタンを押すだけというシンプルな仕組みを導入した。

 「実家の母が言う『ちゃんと食べてる?』は、たぶん野菜のことだろう」「ニク18<ハッパ64」「『やさしい』の大半は『やさい』でできている」──。単身世帯が野菜を消費するためのコピーの一部である。

 「ほかのメディアで取り上げていただく時に、よく『質の高い投稿が多い』と評価していただいています。コアメンバーが多いことが理由ではないかと思います」。赤星さんはうれしそうにそう教えてくれた。

 「コピー2.0」のコアメンバーは現在2500名程度。「たまにオフ会も開かれているようです。僕も参加したりしますが」。広告関係の人も多いが、普通の会社員も少なくないという。「公務員の方など、広告とはまったく関係のない仕事をされている方も多いようです」。お題にもよるが、常時500〜1000、多いときで2000近い投稿が集まるお題もあるという。

 こうした質の高い投稿に興味を持った企業からの問い合わせもあった。「新しいWebサイトを作りたいので、そのキャッチコピーを投稿で集めてもらえないか」「あるキャンペーンを打ちたいのでコピーを募集してもらえないか」。そうした問い合わせから実際に使われたコピーも少なくないという。

 「理想としては『コピー2.0』では全部コピーを無料で使っていいよ、という仕組みになったらおもしろいかな、と思っています。コピーのオープンソースみたいな感じです。それで使った場合はそのことを教えてくれればそれでいいと思います。何か作って発表する人って、それがお金になるより話題になったほうがうれしいと思うのです。

 そうじゃなかったら『コピー2.0』は成り立ってないような気がします。ですから賞金がついた公募サイトみたいにはしたくないんです。書きたい人も使いたい人も、“フリー”に利用すればおもしろいんじゃないかな、と思います」

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