あくまでシンプル、個人向け。米FileMaker社長に聞く「Bento」(2/2 ページ)

» 2008年03月06日 01時44分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
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 1つは、Bentoをこれだけでコンシューマ向け製品としては最高のものにしたかったということです。欲張り過ぎてFileMakerとも統合できるようにして、複雑な製品にしたくありませんでした。2つ目は、もう純粋にコンシューマ分野の方はBentoで足りるということです。個人の人は徹底的にBentoを使うでしょうし、企業の中で中程度のワークグループに属する人はFileMakerを使うでしょう。わずかながら重なる部分はあるでしょうが、大部分のユーザーはそれぞれ違う分野で使っていくことになるでしょう。

ITmedia:ミッドレンジで強いFileMaker社ですが、「クラリスワークス」を提供していた当時と比べると、コンシューマ向け市場の変化をどう見ていますか。

 確かにマーケットは大きく変わったと思います。依然として消費者はデータベースソフトに興味を持つか疑問に思いました。その結果、答えはイエスと出たわけです。ただし、データベースソフトに期待するものは、10年前、20年前とは違っています。

 ユーザーはデータベースソフトにデータを入力したくはないのです。既にあるアドレス帳やカレンダーなどのほかに入れてある情報をここ(Bento)にもってきて、うまくまとめて扱っていくことができるようになることを望んでいます。

ITmedia:MicrosoftもOffice Live Workspaceなど、Webを使ったサービス型のアプリケーションを提供し始めています。Bentoをパッケージとして提供する意図はどんなところですか。

 そうですね。確かにサービスとしてソフトウエアを提供するトレンドは重要で、考慮すべきことだと思いますが、今の段階では申し上げることはできません。ただし、個人向けの市場で、このような分野(データベースソフト)の商品に関しては、どうも手元に製品として持って使いたい、月額使用料を払うよりは持っていたいという思いが強いようです。Macの「iWork」にしても「iLife」にしても、こうした販売形態のほうが多いです。

ITmedia:Bentoのゴールをどうイメージしていますか? Bentoに入る“具”がまだ少ないように感じていますが。

 あくまでもBentoは、個人向けのデータベースであって、そこから離れないものです。企業分野の商品(FileMaker)は既にありますので。

 われわれはBentoでユーザーフォーラムを開いていて、いろいろな提案を頂いています。次のバージョンにどんな機能が入ってくるかは申し上げられませんが、サゼスチョンとしてはもっとリポーティング機能を充実させるとか、プリント機能を強化してくれというもの。そして、Eメールとの接続を充実させてくれという意見があります。ユーザーの中には、あまりにもハイエンドの機能を要求する人もいますが。

 将来どんな機能を追加していくか分かりませんが、どんな機能を追加した後でも、われわれが目指すのは全体を必ずシンプルな仕上げにするということです。

ITmedia:ゴールに、マルチプラットフォームというイメージはあるのでしょうか?

 明らかだったことは、Appleの成功があったので、われわれもアドバンテージを得られているということです。まずはMacの分野でやっていくべきだと思いました。今後Windows版を出すべきかどうかの決定も全くしておりません。

 いまわれわれが注力すべきは、このMac版でまず成功するということです。

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