中小企業向け「Office Live」日本語版の正式サービス開始、無償で利用可能

マイクロソフトは3月6日、「Microsoft Office Live Small Business」を開始。グループウェアやWebメールなどを統合した中小企業向けサービスで、IEやFirefoxで利用できる。

» 2008年03月06日 15時53分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 マイクロソフトは3月6日、「Microsoft Office Live Small Business」(以下、Office Live SB)を開始した。グループウェアやWebメールなどを統合した個人事業主や中小企業向けサービスで、Internet Explorer 6以降やFirefox2といったWebブラウザで利用できる。

 Office Live自体は2006年12月に国内でもβ提供が始まり、14カ月のβ期間で2万4000人のユーザーを集めていた。

正式版では基本機能を無料で提供

Office Live SBのトップ画面。「何をやっていいか分からない」と言われたβ版よりも説明のテキストを増やしたという

 β提供時は利用できる機能によって、無料版(Basic)と有料版(Essential/Premium)とに分かれていたが、正式版では基本的な機能をすべて1つの無料プランに集約し、複数の有料オプションを設けた。なお、β提供時から有料版を利用しているユーザーに対しては、6月1日から課金が始まる。

無料で利用できる基本機能 β版(Basic)との比較
ドメイン管理 4thドメインまたは独自ドメイン 同当
ホームページ容量 500Mバイト 同当
ホームページ作成/更新 「ページエディタ」や「サイトデザイナ」によるWebサイトのデザイン 同当
アクセス解析 自動トラフィックリポート 同当
メールアカウント アカウントあたり容量5Gバイト、100アカウントまで 向上(無料版2Gバイト、25アカウントまで)
Outlook連携 「Outlook Connector」利用 同当
専用ワークスペース 50Mバイト 有償版機能
ワークスペースアカウント 5人分 有償版機能
グループウェア 「GroupBoard 3.0」 有償版機能
ドキュメント管理 「Document Manager」による管理が可能 有償版機能
顧客管理 「Contact Manager」のほか、ExcelやAccessからもインポート可能 有償版機能

 β版からの改善点はほかにもある。気になったのは、サービスを始めやすくなったことだ。β版では、自分のドメインを登録する必要があったが、正式版ではドメインを登録しなくともWindows Live IDを登録することで利用できる。マイクロソフトによれば、Office Liveのターゲットユーザーである個人事業主の8割以上が独自ドメインを取得しておらず、「ドメインは不要」というフィードバックも多かったためだ。またクレジットカード番号の登録も不要になっている。

Word感覚でWebページを作れる

 ユーザーインタフェース(UI)はOffice 2007に共通するところも多い。ホームページの作成/更新ができる「ページエディタ」と「サイトデザイナ」は、Word 2007のようなリボンインタフェースで、「Word感覚でWebページを作ることができる」(マイクロソフトの鍵山仁一シニアプロダクトマネージャ)という。

リボンインタフェースで目的に合った機能を選択する

画像やロゴも簡単に張り付けられる

 作成したホームページにフォームを設置し、訪問者からの問い合わせなども受け付けられる。受け付けたデータを共有したり、どういうステータスかを管理したりできる簡易CRM機能「Contact Manager」機能も備えた。

(左)フォームを設置するところ。(右)入力されたデータの管理も可能だ

 β提供中、無料版では利用できなかった機能「ワークスペース」は、登録したユーザー同士で情報共有ができるグループウェアだ。タスクを設定したり、掲示板でディスカッションしたりできる。メンバーでスケジュールを共有するには日本で開発したという「GroupBoard」を利用する。

左がワークスペース。右がGroupBoard。

Office Live上でGmailの可能性

 Windowsがマイクロソフトの1つ目の柱だとすれば、Windows Liveなどのネットサービスや、Microsoft.NETなどのシステム基盤は、第2、第3の柱。今後マイクロソフトでは、第4の柱に「ソフトウェア+サービス」を据える。サーバとクライアントだけで完結するのではなく、ソフトを組み合わせたサービスだという。この「ソフトウェア+サービス」を目指すのが、Office Live SBといわけだ。

 マイクロソフトでは今後、Office Live SBをサービスプラットフォームとして運営する。鍵山氏は「現状では開発キットが日本語化されていないが、いずれは日本語化する」という。

 いわばSalesForceなどのSaaSプラットフォームのように、マイクロソフト以外のサードパーティによるサービスも考えられる。Office Live上でGmailが利用できる――ということも近い将来実現するかもしれない。

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