第3回 乾燥は体にダメージ大だから、加湿で迎え撃て!ドクトル・ピノコのプチ元気の薬

乾燥はお肌にとってはもちろん、ウイルスなども入りやすくなるなど、体にとっても危険が多い。空気が乾燥していることでどんな問題があるかと、それを避けるための手段について今回は解説する。職場や室内の乾燥した空気が気になる人は一読を。

» 2008年05月14日 12時00分 公開
[ドクトル・ピノコ(企画:ソフトバンク クリエイティブ),ITmedia]

 突然ですが、皆さんのオフィスにはどんなものがありますか? 私はいわゆるオフィスという場所で働いたことがないから、ドラマとかで見る風景しかイメージできません。だから、オフィスという言葉を聞くと、そこで一体どんなことが繰り広げられるのだろうか……と妄想しがちです。デスクの上で一体何をするのか!? あのネクタイはどんなことに使うのか!? サラリーマン金太郎や課長・島耕作(今は社長ですか。おめでとうございます)みたいな人がいろいろと若いOLとやらかしているのか!? などと想像力が刺激されます。

ナースと女医とどっちがいいのだ

 一方で、病院にはオフィスのような位置づけの場所がないのです。それに代わるものとして「医局」なるものがあります。朝出勤するとまず医局に荷物を置いて、白衣に着替え、メールチェックをして……。ここから外来や病棟、手術などに出向き、また医局に帰って来る。言うなれば、外来や手術はビジネスマンにとっての「ちょっと外回り行ってきます」という感じ(と、私は勝手に想像していますが)。ここまでは企業戦士(死語かな)と同じ感じだと思います。

 デスクの上には参考書類、PCのHDDなどの仕事に関するもの、共用部には冷蔵庫、ソファ、ポットなどが置いてあって食事や休憩の場所にも使われたり、また誰が持ち込んだか分からないマッサージ器や怪しい雑誌などもあったりします。

 ただ1つ言えることは、「オフィスラブ」はあっても「医局ラブ」はない! なんでだろうと考えてみたけど、医者の世界って男も女も関係ないから、お互いあまり異性を意識しないためかなあ。あるいは、男たちの目からするとやはり「ナース > 女医」なのか?

 私の職場では、偉いおじさんドクターが仕事している隣で若い女医が生着替えしている光景も珍しくありません。女医が恥じらうどころか、むしろおじさんドクターが「おい、ここで着替えるなよー(お前の着替えなんぞ見たくないんじゃー……これは心の声)」と苦情を出すくらい。ナースの着替えなら喜んで見たいだろうに、女医の着替えは勘弁なんだとさ。だって女性用の更衣室なんてないんだもん。おじさんと一緒に着替えるしかないじゃんか!

乾燥すると何が困るの?

 ところで、オフィスに置くものとして、ぜひお勧めしたいのが「加湿器」。先日見たドラマでもオフィスのシーンにちゃんと映っていました。まあ今のように気候の良い時期は別ですが、たいていのオフィスでは1年の大部分、冷暖房などの空調が入っています。温度は管理されて確かに快適なのかもしれないけど、湿度という意味ではかなり乾燥しがちです。

 では、なぜ空気が乾燥すると良くないのでしょう。お肌の曲がり角をとっくに曲がりきってそのままUターンしているような私としては、お肌がカピカピに乾燥すると相当おぞましい状態になってしまいます。以前スッチーが「機内は乾燥するから常に美容液を持ち歩いていまーす」なんて言っていたけど、そのかいあってか白いお肌がしっとり潤っていたなぁ。一方、同じ機内で私の顔は、粉をふいてマッシュポテトみたいになっていたのでした。

 ああ、誰か潤いをくれー。私のダムは水不足だー。心のオアシスはどこー。あっ、心は加湿器じゃ潤わないか。「心の加湿器」ってものがあったらけっこう売れそうじゃない? 誰か、開発してください!

加湿の重要性

 さて美容の話はともかく、医者の視点から言うと空気の乾燥はもっと重要な意味があります。例えば、冬の寒い時期、ガンガン暖房が入ってカラッカラに空気が乾燥しているとします。本来、空気中に湿気があれば悪いウイルスなども水分を含み、重くなって下に落ちるから口から吸い込みにくくなるわけです。一方、空気が乾燥していると空中に漂いやすくなるので、そのぶん口からも入りやすくなってしまいます。インフルエンザが流行する時期などは特に、乾燥は大敵です。

 またこれは花粉にも当てはまることです。湿気があれば下に落ちてくれる花粉も、空気が乾燥していればそれだけ部屋を舞うわけで、適度な湿気は花粉症の人にとっても大切なんですね。

 さらに、ウイルスなどを吸い込んでしまった後も、適度な水分を含めば鼻の中や気管などでキャッチされ、鼻水や痰(たん)などと一緒にほかに出されやすくなるという効果もあるんです。乾いているとこの関門もスルーしやすくなります。一言で「乾燥は大敵」と言っても実にいろいろな意味があるわけですね。

 広いオフィスでは冷暖房パワーの方が強いこともあるでしょうから、特に乾燥がひどい時期には小さな「マイ加湿器」を自分のデスクのそばに置いておくのもいいかもしれません。最近は小型のものも多いし、インテリア性に優れた素敵なものもあるよね。大きな電気屋さんに行ったらすごく安いものあったし。それで、花粉症の人も少し楽になるし、悪いウイルスも遠ざけ、そしてお肌も潤う!

 さらには吹き出し口をお局様の方に向ければ、カピカピのお局もほんの少しは潤う!(って、私も年齢的には、そろそろお局様じゃん。そういえば、新人女医の加湿器が私のデスクの方に向いてるような……)。おまけに恋人はできるわ、人生の負け組もたちまち勝ち組に大逆転! ……後半は誇大広告というか完全にウソなんですけど、でも加湿は健康維持に役立ちますよ。別に私は加湿器メーカーの回し者ではありませんけどね、本当に。

ポイント

  • 加湿器は言うまでもなく、お肌の潤いには不可欠です。
  • 悪いウイルスも、湿気で下に落としてしまおう。
  • 花粉症のあなたにもぜひ。
  • 誰か「心の加湿器」を開発してください。

著者 ドクトル・ピノコ

女医。医大生時代には体育会に属しつつ、某社キャンペンガールや大手塾講師など数々のバイトもこなし、現在、酒と体力だけには自信アリの超体育会系の外科医として某病院にて働く。趣味は、酒、男、足裏リフレクソロジー。現在、「週刊ビジスタニュース」月イチでコラムを連載中。ぼちぼち書き仕事も募集してます。


関連キーワード

加湿器 | ウイルス | 空調管理 | 健康


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ