中長期的な課題に取り組み続けるには?【解決編】シゴトハック研究所(2/3 ページ)

» 2008年05月16日 13時49分 公開
[大橋悦夫,ITmedia]

集中セッションと分散セッション

 中長期的な課題を前にすると、どうしても次のような疑問がわくものです。

  • 本当に今これをやるべきだろうか?
  • もっと優先すべきことがあるのではないだろうか?
  • かけた時間がムダになるのではないだろうか?
  • きちんと終わるだろうか(結果を出せるだろうか?)

 すなわち「本当にやる価値はあるのか?」という自らの疑念に足を引っぱられるのです。検討を重ねて、ようやく「買う」と決めた高額商品(ノートPCや貴金属など)でも、いざ販売店に足を運んで実物を前にしてみると「いや、待てよ……」と迷い始めてしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、これとよく似た心境です。

 そこで、こうした疑念を晴らし、無理なく中長期的な課題に取り組み続ける方法を、次の2つのステップに分けてご紹介します。

  1. 集中セッション
  2. 分散セッション

 集中セッションとは連続する1〜2時間程度の時間をとって、思いつくことをひたすら紙に書き出すワークを指します。いわゆるブレストを行うことです。このセッションに入ったら、次のことはいっさい排除するようにします。

  • 電話を受ける
  • メールの読み書きをする
  • 別の仕事のことを考える

 文字通り、目の前の中長期的な課題に集中するわけです。

 一方、分散セッションは、毎日数分から15分程度、集中セッションのアウトプットをもとに詳細な部分を詰めていくプロセスです。集中セッションが「何をするか?(What)」を考える場であるとすれば、分散セッションは「どのようにするか?(How)」を検討する場というすみ分けになります。

 はっきりと線引きできるわけではありませんが、それぞれ何をするかの目安となるはずです。

考えた痕跡を残して翌日の自分に引き継ぐ

 ポイントは分散セッションにあります。中長期的な課題となると「時間がかかりそう」「手間がかかりそう」「普段と異なる頭の使い方が求められそう」といった特別な感じが漂うものです。一言でいえば「面倒くさい」と感じてしまうのです。それゆえに取りかかるのが困難になります。

 そこで、短い時間でもいいので、とにかく毎日、中長期的な課題に向き合うように自分を仕向けます。そもそも「面倒くさい」と感じてしまうような課題ですから、イヤでも目に入ってくるような仕組みが必要です。さらに、毎日向き合う以上は、わずかでも「前に進んでいる」という実感もあった方が継続の後押しになるはずです。

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