怒られマネージャーが背中で伝えられること――KCCS・永松さん達人の仕事術(3/3 ページ)

» 2008年06月09日 16時18分 公開
[鷹木創,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

怒られるグループ長の姿が、会社の方針を部下たちに伝える

 2006年になって27歳でグループ長に抜擢された。会社の同世代では初めてのグループ長だった。2008年にはエンタープライズ部門の部署に異動。これまでもソリューション的な営業はしていたが、サービスや製品の組み合わせが大半。今度は、大手企業に対して解決策を提案することになった。サーバのホスティングやハウジング、データベースの構築や運用などカスタマイズを加える案件ばかりだ。サービスや製品ありきではなく、顧客の要望に合わせた営業活動を行っている。

 こうしたソリューション営業のキモは提案だ。提案書作りには時間がかかるが、上司は当然スピードを要求。作成時間は、基本的には1日。最長でも2日だという。短い時は、朝に頼まれて夕方に提出もある。永松さんは上司がレビューする時間を見計らって、提案書を練る。それでも、スケジュール通りに進めばなんとか数時間でできるが、スケジュールにはない横やり作業も入る。「締切前に上司がカウントダウンするので焦ります」と笑う。

 エンタープライズ部門の部署に異動してからは、「怒られてばかり」とため息まじり。部下が見ている前で怒られる。ちょっと恥ずかしかったりするのだろうか? 永松さんは「怒られることは恥ずかしいことでもなんでもない」という。俺の背中を見て育て――というわけではないが、「(KCCSでは)グループ長クラスが怒られて、会社の方針が部下たちに伝わっていくんです」

 怒られて何かを伝える一方で、手取り足取り細かくは教えないスタイルでもある。「簡単に教えてあげることで、むしろ部下が気付くかもしれない機会をなくしているのではないか」と危惧(きぐ)するからだ。とはいえ「異動してからは自分自身のことだけで精いっぱいだから、部下に教えられないのかも」と“本音”も。「マネージャーとしてはあまりうまく動けていないのかもしれません」と苦笑いした。

 「すべての事象は我が心の反映」。永松さんの座右の銘である。「営業やっていると、いいことも悪いこともありますが、すべては自分の心を反映しているんです」。人のせいにしない、自分で気付く――永松さんが自分自身に課し、部下にもそうあるべきと願っている言葉だ。

永松さんの仕事道具

30秒コメント

プロフィール
お名前 永松一尚(ながまつ・かずひさ)
経歴 高校までの18年間を鹿児島で育つ。大学入学時に上京。卒業後、KCCSに入社し、現在に至る。入社から法人営業を担当。マイライン、KWINSなどを担当しつつ、2006年からグループ長に就任。現在29歳。
PC ThinkPad X60
携帯電話/PDA(データ通信カードを含む) 携帯電話はau「W51S」「W55T」、データ通信カードは「KWINS 3G」
デジタルカメラ ソニーのサイバーショット
ブラウザ Internet Explorer 7.0
収集ツール(RSSリーダーなど) なし
メールクライアント Becky! Internet Mail
インスタントメッセンジャー なし
よく使うショートカットキー IE、メール、Becky、NetBureauへのショートカット
ファイル整理ツール(デスクトップ検索を含む) なし
バックアップツール なし
検索サイト Google、Yahoo!JAPAN
Webメール Biz.Walker
ブログ なし
SNS なし
ソーシャルブックマーキング なし
Wiki なし
影響を受けた人/本/Webサイト なし
座右の銘 全ての事象は我が心の反映
手帳/ノート MOLESKINE、ロディア
ペン 京セラボールペン、ティファニー
その他小物(ICレコーダ、ポストイットなど) ICレコーダ
前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ