音声認識ソフトで英語学習するのだシゴトハッカーズ(3/3 ページ)

» 2008年08月28日 12時40分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]
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英語学習でも「慣れは軽蔑(けいべつ)を生む」

 語学の勉強で特に厄介なのは、すぐに成果を確認できないところです。特に英語の勉強は、日本人であればそれなりにやってきてしまっていますから、「それなり以上」を目指すとなると、いろいろなハードルを越えなければなりません。

 英語は、自分の実力以上のことを目指したり、時間がないのにたくさん勉強したりしようとすると、すぐに挫折しがちです。というのも、仮にそこまでやったとしても、瞬時に劇的な効果は現れないからです。

 しかし一方で、自分の能力から見て、あっけないほど簡単にできることばかりするのも、考えものです。とても簡単な勉強は、苦しまずに続けることができる利点はあるものの、簡単すぎて物足りなく、やはり力がついているような気がしないからです。

 この、難しすぎることをやっても、簡単すぎることをやっても長続きしないのが、語学学習をはじめ、「スキルアップ」の厄介なところです。

 しかし、難しいことを時間がないのにやるのは、やり続けるのに一番向かない方法ですから、やはり歯ごたえがなくとも、簡単すぎるくらいのところから始めた方がいいでしょう。

 NHKの講座であれ、iKnow!のような英語学習オンラインツールであれ、「くだらない。役に立たない」と思ってもそこでやめず、一気にもっと難しいレベルに、勉強内容を切り替えることです。

 例えば、iKnow!の留学実現!チャンネル「GMAT Verbal」あたりになると、簡単に分かるような英文はほとんど出てきません。一例を挙げると、以下のような文章があります。

 While most thought his manner rather abrasive, David considered him a pleasant fellow.

 この類の英文の意味を一瞬でとれるほどであれば、無料のオンラインツールなどで英語の勉強をするのは、非効率的です。しかし、このあたりはさすがに難しいと感じるのであれば、少しレベルを下げることで、自分が没頭できる教材を見つけられるはずです。

 このように、同じレベルをコツコツ続けるよりも、レベルを上げたり下げたりしているうちに、いつの間にかできるようになっているという方法は、継続系のスキルアップではうまいやり方だと思います。ちょうどスキー場で、初級、中級、上級のコースを移動中滑り回っているうちに、いつの間にかどこでもそこそこ滑れるようになることに似ています。

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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