ブラザー工業は、ビジネス向けカラーインクジェット複合機「ジャスティオ」シリーズにA3対応機の「MFC-6490CN」を追加する。A3対応のカラーインクジェット機では「世界最小サイズだ」という。
ブラザー工業は9月2日、ビジネス向けカラーインクジェット複合機「ジャスティオ」シリーズに「MFC-6490CN」と「MFC-5890CN」を追加すると発表した。オープンプライスだが、MFC-6490CNが5万5000円前後、MFC-5890CNが4万円前後の見込み。10月初旬から順次発売する。
MFC-6490CNは、プリンタ、ファックス、コピー、スキャナの4機能が1つにまとまった複合機。A3用紙のプリントと読み取りに対応しているにもかかわらず、サイズは540×488×323ミリ(幅×奥行き×高さ)と、A4インクジェット複合機並みに抑えた。ブラザー工業によると「A3カラーインクジェット複合機では世界最小だ」という。
A4サイズの印刷速度は、モノクロが毎分35枚、カラーが毎分28枚。給紙トレイは2段で容量は最大400枚。それぞれのトレイにA4とA3をセットすることで、異なるサイズの用紙も利用できる。カラーインクを使い切ってもモノクロ印刷が可能。連続50枚までの読み取りが可能なADF(自動原稿送り装置)のほか、ノートや書籍などのコピー時には、傾き補正などを利用できるブックコピーモードを搭載した。
インタフェースにはUSB2.0、Ethernetポートのほか、無線LAN(IEEE802.11b/g)も標準搭載している。重さは約15.6キログラム。
A3用紙のプリントと読み取りに対応するMFC-6490CNに比べて、MFC-5890CNは、プリントのみA3に対応し、読み取りはA4サイズまでの複合機。こちらのサイズは485×408×242ミリ、重さは約10.7キロとMFC-6490CNよりも一回り小さくなっている。
印刷速度などの基本機能はMFC-6490CN同様だが、給紙容量が150枚までで、インタフェースはUSB2.0、Ethernetポートのみで無線LANを搭載していない。
ブラザー工業の古川勇治代表取締役は、「複合機は通常、本体サイズがコピー機ベースで大きくなりがち。MFC-6490CNは今までのA4カラーインクジェット複合機にそん色ないサイズ。大きな本体が置けないユーザーに対してアピールしていきたい」と意気込みを示した。
いずれの機種ともにすでに米国では販売しており、売れ行きも順調だという。「トラディショナルなA3機とは異なるタイプ。当面はSOHOユーザーを対象に販売するが、市場自体を創造していく。米国では売れ行きもよく、うれしい悲鳴」(古川代表取締役)。
ブラザー工業では同日、家庭用向けカラーインクジェット複合機「マイミーオ」シリーズにもA4対応の新機種を複数追加すると発表した。10月初旬から順次発売する。
追加するのはプリンタ、ファックス、コピー、スキャナの4機能が1つになった「MFC-930CDN/CDWN」「MFC-670CD/CDW」「MFC-490CN」と、プリンタ、コピー、スキャナの3機能をまとめた「DCP-535CN」「DCP-385C」「DCP-165C」の合計6機種。オープンプライスだが、価格はMFC-930CDNが4万円前後、子機が2つのMFC-930CDWNが4万8000円前後、MFC-670CDが3万円前後、子機が2つのMFC-670CDWが3万8000円前後、MFC-490CNが2万6000円前後、DCP-535CNが1万8000円前後、DCP-385Cが1万4000円前後、カラー液晶パネルなしのDCP-165Cが1万2000円前後の見込み。
機種名 | 店頭価格 | 子機 | 印刷速度(A4、毎分) | サイズ | 重さ | 機能 |
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MFC-930CDN | 4万円前後 | 1台 | カラー27枚/モノクロ33枚 | 460×375×180ミリ | 約8.5キロ | プリンタ ファックス コピー スキャナ |
MFC-930CDWN | 4万8000円前後 | 2台 | ||||
MFC-670CD | 3万円前後 | 1台 | 460×365×150ミリ | 約7.7キロ | ||
MFC-670CDW | 3万8000円前後 | 2台 | ||||
MFC-490CN | 2万6000円前後 | なし | 390×375×180ミリ | 約8.1キロ | ||
DCP-535CN | 1万8000円前後 | なし | 390×375×180ミリ | 約8.0キロ | プリンタ コピー スキャナ |
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DCP-385C | 1万4000円前後 | なし | カラー25枚/モノクロ30枚 | 390×365×150ミリ | 約7.1キロ | |
DCP-165C | 1万2000円前後 | なし | ||||
会場では、マイミーオのCMに起用されたタレントの小林麻央さんも登場。「ビックカメラで勧められて購入して以来使っています」と自身もマイミーオユーザーであることを明かした。
「マイミーオでは普段撮っているデジカメの写真をプリントアウトしています。PCに取り込まずにSDカードから直接プリントアウトできるので、機械オンチの私も楽しく作業できます」とのこと。熱中すると、「1〜2時間ぐらいマイミーオの前に座っていることもあります」という。
ブラザー販売の片山俊介社長は、「プリンタは複合化が顕著。これまで進んでいなかったファックスも複合化が進むのではないか」と分析。ユーザーアンケートによると、ファックス機能を搭載したマイミーオの設置場所はリビングが59%を占めた。「リビングに設置するファックスはデザインを重視する。これからはリビング複合機だ」と抱負を述べた。
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