語学学習バトルで会得した「15分語学学習法」樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

春先から我が家では家人を巻き込み「バトル式英語学習法」を行っている。要は、ややもすると辞めそうになる語学学習をお互い切磋琢磨しながらやっていこう、という趣旨だ。何度かの挫折の後、筆者はある学習法を会得したのだった。

» 2008年09月11日 19時06分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 残念であり、非常に悔しい。

 この3月30日から我が家では家人を巻き込み「バトル式英語学習法」を行っている。筆者はNHKラジオの英語会話4種類と、イタリア語、アラビア語を勉強することを誓った。

 開始以来ほぼ6カ月が経過したところで、担当の編集者が「樋口さん、あれだけ威勢よく宣言したのだから、中間報告してください」と言う。

 分かった、分かった。お伝えしようではないか。英会話関係4講座(ラジオ英会話、徹底トレーニング英会話、入門ビジネス英会話、実践ビジネス英会話)は聞き続けている――いるが、イタリア語とアラビア語は、4月の中旬にドロップしてしまった。1週間に1度のアラビア語学習は、昔は片言でも話したことがあったし、最初の講座は懐かしかった。だが、懐かしい気持ちは継続のモチベーションにはなり得なかった。イタリア語の放送は文法と会話が分かれており、集中できなかった。だから何だということではあるが……。

 一方、筆者と語学対決していたヨメサンは、敵ながら天晴れであった。NHKラジオ会話のオタクを長年続けているだけあって、今年もまったくペースを変えない。英会話、中国語、フランス語の3つを悠々と継続し続けている。

 ヨメサンに、また負けたわけだ。く、悔しい。

半年間継続できたのはラジオサーバのおかげだった

オリンパスのラジオサーバ「VJ-10」

 アラビア語とイタリア語は壊滅的だが、いいこともあった。生まれて初めて、英語の講座4本を半年間継続できたことである。(誰も誉めてくれないが、自分では)すごいと思っている。

 もともと1週間の半分以上、国内や海外へ出張する筆者。とてもラジオの生放送を聞くことができないのが現状だ。そんな筆者が英語の講座4本をなんとかかんとか聞くことができたのは、やはり大容量HDDを搭載したオリンパスのラジオサーバ「VJ-10」のおかげである。

 実際、筆者はラジオ英会話の4番組を一度も生放送では聞いていない。すべてVJ-10に録りためていた。こうして都合のいい時間に聞けたわけだ。

 まずVJ-10に該当する番組を自動的に録音するように設定。録音データはVJ-10にいったん保存。外出先でも利用するときは、筆者が愛用する富士通のノートPC「FMV-BIBLO NX95W/D」や、同じく愛用のICレコーダー「DS-40」「LS-10」にデータを移動して聞いた。

「15分語学学習法」で移動時間を有効活用

 実は、NHKの英語講座は、携帯できるICレコーダーに適している。というのも、番組の時間がどれも15分程度で、JRや地下鉄で移動する筆者にとっては時間つぶしにちょうどよかった。

 「ああ、○○に出かけるなら約35分だから、英会話2本分だ」というような計算をして、出かけることにしている。我が家から、近くのJRの駅にバスで出かけるのも、ちょうど英語1本分となる。これを「15分語学学習法」と名付けた。

 この夏、筆者は青春18きっぷ旅行を楽しんだ。東京−大阪(往復17時間)、会津の奥只見まで(往復15時間)、富士山周遊(全行程11時間)と、房総半島一周(9時間)をすべてが鈍行列車による旅行である。もちろん、アイデアマラソンも実行したが、ICレコーダーで英会話の勉強をしていたのでひまをもてあますこともなかった。DS-40では、聞きたいところをマーキングできるので、プログラムによっては数十回聞いたものもある。


 半年聞いてきた変化としては、聞く耳の感度が上がったように感じている。内容が分かり始めると、番組を聞いているのが楽しくなってくる。こうなると、もう、止まることはない。実はイタリア語の教科書も毎月全部買っている。来年度こそイタリア語の学習を続けて、ヨメサンに雪辱だ。「今に見ておれ! ぼくだって」――。

今回の教訓

15分、熱中しすぎて乗り過ごすな。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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