だだし、インクジェット式プリンタには注意が必要だ。
例えばインクジェット式の仕様で書かれている5760×1440dpiは、絵画やデザインなどのグラフィックやフォト印刷での最高解像度。テキストだけを印刷したら、初期設定では300dpi程度になってしまう場合がほとんどだ。
またインクジェット式は、高速印刷するほど表などの罫線ズレが発生する、構造上の弱点があるのだ。これには理由がある。インクジェット式では、印刷する用紙に対して横に動くヘッドからインクが飛び出す。そのインクが縦に送っている紙に着くタイミングが合って、初めて罫線ズレのない印刷できる。ところが印刷速度が速まるほど、紙を送る速さにヘッドの動く速さが追いつかなくなるなど、タイミングが合わなくなる頻度が高まるからだ。
その一方、レーザー式なら600dpiであれば600dpiでの出力となり、1200dpiであれば1200dpiでの出力となるから、インクジェット式より設定に気を遣わずに済む。
これらを踏まえ、使用する部署で何をメインに印刷するかによってプリンタを決めるといいだろう。テキスト印刷の多い部署ならモノクロレーザーで600×600dpiを、カラー印刷も要るならカラーレーザーで1200×1200dpiを、絵画やデザイン、フォト印刷ならインクジェット式で2400×2400dpiを――といった具合だ。dpiの数値はあくまで目安だが参考にはなるだろう。
ドクトルP というわけで今回のポイントは――。
プリンちゃん ふむふむ。ややこしい計算だらけの印刷時間の解説と違って、今回の解説は分かりやすかったわ〜。だって解像度の数値1つ見ればいいわけだし。
ターくん ま、落とし穴はあるけどね。僕、前回は知恵熱出ちゃったもんなあ。
プリンちゃん 落とし穴ってインクジェットのこと?
ターくん そそ。やっぱり物事はそう単純には進まないってことだね。
プリンちゃん な〜に? それ。知ったかぶっちゃって(笑)。
ターくん ちが、そんなんじゃないよお。
ドクトルP やれやれ……。
ドクトルPが解説すべきポイントはあと2つ。2人は無事に最適な1台を見つけることができるか――。
プリンタやスキャナでは画質を指す解像度。PCやデジタルカメラでは、ディスプレイ内デスクトップ画面の「表示サイズ(エリア)」を指すことも、知っておくと便利だ。
PCやデジタルカメラでは解像度が高いほど表示サイズは大きくなる。また、SVGA表示と呼ばれる800×600ピクセル(またはドット)から、XGA表示と呼ばれる1024×768ピクセルへの変更など、画面サイズを大きくすることを「解像度を高くする」といい、小さくすることを「解像度を低くする」という。なお、800×600ピクセルとは、幅800ピクセル、高さ600ピクセルの画面をいう。
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