DiskMirroringToolは、フォルダ単位でバックアップを取るオンラインソフトで、対象となる2つのフォルダ(それぞれ、バックアップ元とバックアップ先)を比較して、以下の要領でバックアップ元の変更をバックアップ先にも反映します。
要するに、2つのフォルダの内容を同一に保つ(ミラーリング)わけです。さらに、
などのオプションが用意されています。
「先」のフォルダには、ローカルフォルダだけでなくLANで接続された別のPCのフォルダも指定できるため、現在使っているPCがトラブルで起動できなくなった、というような場合でも、バックアップ先としていたPCですぐに作業を継続できます。
筆者は、毎日深夜2時にDiskMirroringToolを自動起動させて、その日に更新されたファイルを外付けのHDDにバックアップするようにしています。自動起動には、Windows標準のタスクスケジューラを使います。
以下はWindows Vistaのタスクスケジューラですが、Windows XPでもほぼ同じように使えます。DiskMirroringToolには「起動時オプション」として、そのセットを実行するかを指定したり、アイコン(最小化)状態で起動させたり、といったことができます。
筆者は、日次バックアップと週次バックアップの2種類のセットを作っており、それぞれ別のドライブを指定しています。例えば、誤ってファイルを削除してしまった場合は、当日作ったファイルでなければ前日の日次バックアップから取り寄せられますし、削除してから3日後に気づいた場合なら(日次バックアップにも残っていないので)、週次バックアップを探しに行く、といったことができるわけです。
ちなみに、筆者が外付けのHDDとして使っているのは、これまでに使ってきてその役目を終えたノートPCから抜き出したHDDです。これを「センチュリー 裸族のお立ち台DJ」という製品を介してUSB接続して使っています。“裸”のHDDを2つまで格納できる製品で、3.5インチ・2.5インチの両方に対応しています。
いずれも元もとノートPCに接続されていたHDDですから、機種のラインが一緒なら、現在使っているPCに換装することも、やろうと思えばできます。
以上、ご紹介してきたツールは、いずれも普段はさほど目立たない存在ですが、ひとたびトラブルが起きたときにその真価を発揮します。そのための日々の“保険料”であるバックアップ作業は安ければ安いほどいいでしょう。それゆえ、今回ご紹介したように、できる限り自動化しておく方法やツールをお勧めします。
銀行で定期預金を作っておくと、その額の90%までは普通預金の残高不足を自動貸し付けによってカバーしてくれますが、ファイルのバックアップはこれと似た側面があります。すなわち、一度設定しておけば、忘れたころにトラブルに見舞われても、ダメージを最小限に抑えられるのです。
1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』、『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、『Life Hacks PRESS vol.2』、『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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