新しい挑戦には“恐怖”が伴うのだシゴトハッカーズ(2/3 ページ)

» 2008年10月17日 00時32分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

取りかかる前に3段階のゴールを持っておくといいと思います。例えば、なかなか取りかかれない、大きめの仕事を前にしたときに、

  1. 最低限、見通しをつける(並)
  2. 見通しをつけたうえで半分まで終わらせる(上)
  3. 最後まで終わらせる(特上)

 という3つのゴールを設定します。

 どう転んでも絶対にできてしまうレベルを「並」に設定しておくことで、とりあえずここさえクリアできれば「できた」ことになります。ゼロの状態から少しでも前進できれば、次回以降の取りかかりの敷居は下がるので、継続しやすくなります。初回のレッスンは無料とか、無料体験版があるのは、提供者側が「並」を用意してくれていると考えることができます。簡単にできる「並」を達成すると、人はそこで欲が出てきますから「上」や「特上」をおのずと目指すようになるのです。

 例えば、なかなか取りかかれない分厚い本があったとします。なかなか読み始められずに時間ばかりが過ぎていき、そのうちに新たに読みたい本が見つかり、とりあえず購入する、ということを繰り返していると、「積ん読本」が増えるいっぽうで、次第にイヤになるでしょう。新しい本が出ても目を覆うようになってしまい、機会損失が生まれます。そこで、

  1. 最低限、「はじめに」と「おわりに」と「目次」にだけ目を通す(並)
  2. 1に加えて目次で気になった項目を3つだけピックアップして読んでみる(上)
  3. 全部読む(特上)

 という3レベルのゴールを設定します。僕自身もどんな本でも1だけは実践していて、全くページをめくらずに積んでいる本はありません。こうした「前処理」をしておくことで、その後に放置されてしまったとしても、ふとしたきっかけで「そういえば、あの本がヒントになるかもしれない」ということで、舞い戻る布石にもなります。全く目を通していなければ、こうしたことを起こすのは難しいでしょう。

佐々木さんが、自分の持っている本がどこにあるかを確実に分かるようにするという「プロジェクト」を進めているツールMedia Marker

なるほど、興味を持ったら、それを大事にして、第一歩だけでも進んでおくのですね。逆に踏破しよう! と意気込むと、一歩も進めないと。そのほかには、実践的なテクニックはありますか?

今、自分の持っている本がどこにあるかを確実に分かるようにするという「プロジェクト」を進行させています。Media Markerというツールを使っているのですが、1日にこなす分量として、本の登録数を25冊ずつ(15分)と細かく区切ることで、始めることができました。最初に取りかかる上でやったことは、完成図を妹に絵で描いてもらったのです。こういうふうに、面倒なプロジェクトでも、どうしてもやりたいことをやるときには、最初に思い描いた「素晴らしいゴール」をイメージするだけではなく、実際に目で見られるようにするといいかと思います。ただしそれでも、うんと小分けにして、1日15分が精一杯ですね。

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