インタビュー
» 2008年11月05日 12時30分 公開

ひとりで作るネットサービス:ほかの人の作品は見ません――「武器ジェネレータ」ららぴまさん (2/3)

[田口元,ITmedia]

「真顔で下ネタを言う」をカタチに 起業までの紆余曲折期

 その後、社会人になるとシステム会社に就職した。当初配属されたのはいわゆる「堅苦しい業務ソフト」を担当する部署だった。しかし、週末に開かれていた「研修会」でCGを使ったソフトを作っていたら、そのスキルを見初められてゲームを作る部署に配属された。ShockwaveやCGIといったネットサービスに近いところで仕事をすることができるようになった。

 就職から2年半がたち、起業の夢をかなえてみたいと思った。一念発起して会社を辞め、ネット上でさまざまなサービスを作ってみた。ドメインをとってサーバを借りてサイトを立ち上げた。広告収入で暮らせるのでは、と淡い期待を抱いていた。数字から語呂合わせを生成する「語呂合わせジェネレータ」もこのころの作品だ。「しかし、どんなに作っても、まったくお金になりませんでした。月100円も稼げなかったですね」

 これではいけない、と思ったららぴまさんは再度就職することにした。人数の少ない会社なら自分のやりたいことができるはず、と思い、小さなベンチャーを選んだ。ただ、面接を受けてみるとその会社には仕事がなかった。そのため関連会社に入社することになり、また「堅苦しい業務ソフト」を作る仕事に逆戻りしてしまった。

 「楽しいことができなかったらこの業界にいる意味がない。だったら……」。仕事をしながらも、ららぴまさんはある決意をした。「仕事とは別に、趣味でどんどん作ろう、と思いました。1カ月に3サイト作ることを目標に、とにかく次々とサイトを立ち上げました」。最初の1年間は目標どおり月に3サイトを立ち上げ、次の年からは毎月1サイト程度を立ち上げていった。

 そうしたサイトのうちの1つが「漢字説明ジェネレータ」だった。電話で自分の名前を説明するときに使えるツールだ。自分の名前を入れると「中山の中は……」といった具合に、分かりやすい説明を作ってくれる。ただ、一見まじめな「使える」ツールではあるが、生成される説明文は下ネタ満載の「笑える」ものだった。このジェネレータがおもしろネタを取り上げる多数のブログで紹介され、一気にアクセス数が増えた。

(左)語呂合わせジェネレータの画面。「20081031」と入力した結果は……。(右)こちらは漢字説明ジェネレータの画面。「大隈重信」と入力した結果は……

 「一見まじめだけど、最後にオチがある、というのが大事。真顔で下ネタを言う、という感じだと思います」。また、「自虐的なネタは、ブログで取り上げやすいのでは」とも分析している。ららぴまさんのネットサービスを試した後に、「自分の名前がこんな結果になっちゃったよ」とブログに書き込む人も多いという。

 「ブログで紹介されるまでは、1日1人ぐらいのアクセスだったのですが、急に1000以上アクセスされるようなサイトになりました」。当時の驚きをららぴまさんはそう述べる。このジェネレータはブログのみならず、関西の「なるトモ!」というローカルテレビ番組でも取り上げられた。それ以来、マスコミ関係の人がららぴまさんのサイトを定期的にチェックするようになった。新しいジェネレータを作るたびにアクセスが増え、取り上げてくれるメディアも増えていった。サイトのアクセスが増え、1人でもなんとかやっていけるまでになった。2007年には念願の起業も果たした。

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