ハンモックの余裕とオフィスチェアの宿命Biz.ID Weekly Top10

筆者はこれまでの人生で、ハンモックに揺られた経験はない。実際に使ったことのある人によると、「けっこう網が食い込んで痛いのよ」だとか「あの安定しない感じにどうも慣れなくてねえ」とかいう人が、けっこう多かったりする。にも関わらず……。

» 2008年11月14日 11時00分 公開
[杉本吏,ITmedia]

 ポメラの嵐も一段落した先週のアクセスランキング、第1位に輝いたのは、「講義ノートの取り方と復習のコツ」。初出は2年前だが、その後アクセスランキングにたびたび顔を出す常連記事である。はてなブックマークのコメント数も1500を超えており、もう「Biz.ID殿堂入り!」みたいなことにしてしまってもいいのではないだろうか。

 ないだろうか、と聞かれても読者諸氏も困ると思うので、ここは筆者が独断で殿堂入りということにする。殿堂入り記事は別格だから、ランキングではノーカウントでいいのである。何がいいのかというと、ノーカウントにすると、2位の「筋肉のメカニズムを再現したロボット椅子」が繰り上げ当選で1位ということになるのである。そしてその記事は筆者が書いたのである。1位だとうれしいのである。

 と昔なつかし昭和軽薄体など使ってみたわけだが、この椅子、会場で実際に座ってみたところ、確かに独特の座り心地だった。ふかふかしているわけでもなく、かといってガショーンガチャコーン(筆者のロボットに対する豊かすぎるイメージ)みたいな感じでももちろんなく、OKIの人も言っていた通り、確かにハンモックのようなゆさゆさした感じ(記事内動画参照)だったのだ。

 といいつつも、筆者はこれまでの人生で、本物のハンモックに揺られた経験はない。実際に使ったことのある人によると、「けっこう網が食い込んで痛いのよ」だとか「あの安定しない感じにどうも慣れなくてねえ」とかいう人が、けっこう多かったりする。にも関わらず、彼らの顔が一様になんだか満足げなのは、「ハンモックに揺られる余裕のあった日々」を思い出してのことか。

 うーんやはり筆者も南の島あたりでハンモックに揺られてみたい。余裕ぶりたい。「いやー、網が痛くてねー?」とか言ってみたい……などと考えつつ、今日もいつものオフィスチェアに腰を下ろす。ハンモックのようなゆらぎのある椅子に変えるのもいいかもしれないが、オフィス内でトロピカルジュースを飲みながら文庫本を読めるわけでもない。仕方あるまい、それがオフィスチェアの宿命というやつなのだ。

 東京の真ん中で缶コーヒーと原稿を抱えている筆者には、いつものオフィスチェアで「いやー、腰が痛くてねえ……」とかぼそっとつぶやくくらいが精いっぱいなのだった。「殿堂入りはノーカウント!」とか言っている場合ではなかったのだった。

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