「いい」「面白い」なら積極導入――ジェイ エイ シー ジャパン「働きやすい」を形に イマドキの福利厚生(1/2 ページ)

仕事への思いは人それぞれ。ジェイ エイ シー ジャパンでは、「全従業員が満足できる福利厚生制度がない」からこそ、「いいことや面白いこと」を積極的に制度化している。その実態とは?

» 2008年11月20日 09時00分 公開
[SOS総務]
SOS総務

 「いいことやおもしろいことは、どんどん広げよう」というのが人材紹介企業ジェイ エイ シー ジャパンの経営姿勢。福利厚生制度も同じで、従業員のニーズに耳を傾け、従業員の役に立つと思ったら積極採用。ES(Employee Satisfaction、従業員満足度)を高めると同時に、企業イメージやリクルート面のプラス効果につながっている。

会長からの「手書き誕生日カード」――「いい」「面白い」制度のアイコンに

 ジェイ エイ シー ジャパンは金融やメディカル、製造、消費財、サービス、IT業界を対象にした人材紹介サービスを展開している企業だ。国内7カ所の本支店のほか、イギリスとアジア5カ所にもネットワークを持つ。2007年現在、従業員数が662人で、平均年齢が29.8歳。1988年の設立以来、年4割のペースで従業員が増え、進化し続ける企業として注目されている。

 これだけ急速に人数が増え続け、しかも広いエリアで事業を行えば、福利厚生制度にも相応の工夫が必要になってくる。

 総務部長兼人事部長の石井治彦(いしい・はるひこ)さんによると、「大勢の従業員が、それぞれ違うニーズや趣味嗜好を持っているので、すべての人に喜んでもらえる制度というのは、なかなか難しい。そこで当社は、さまざまな制度を作っています。そうすれば、自分にフィットする制度が見つかり、公平に活用できますから」と、福利厚生についての考え方を示す。

クリスマスパーティーの際、表彰式も行う。努力と成果を全社員の前でたたえることで、仕事への誇りと会社への愛着が増す

 中には従業員への思いが伝わるアットホームな福利厚生も数多い。その代表がバースデーカードだ。田崎会長夫妻が1988年の創業当時から続けているもので、従業員の誕生日に手書きのカードを贈っている。

 「カードのメッセージは、会長自らが従業員の近況を把握した上で書いています。誕生日を迎えた本人と話したり、直属の上司や部下に様子を聞いたりして、その人だけに向けた言葉を贈っているんです」(石井さん)

 こうして従業員を祝いねぎらうとともに、中学生以下の子供がいる場合は図書カードを同封して、家族にも感謝の思いを伝えている。2007年現在、700人近い従業員がいるので、1人1人にメッセージを贈るのは容易ではない。しかし、大切なコミュニケーションの一環として、続けていきたいという。

 クリスマスには従業員と新採用の内定者を招待し、一流ホテルで食事会を行うのも恒例となっている。リラックスした雰囲気で、従業員と新採用者である学生が顔を合わせることができるのも、社内コミュニケーションのプラス要素。ほかにも5年、10年、20年ごとに永年勤続の表彰や、年間MVP賞、新人賞など、従業員の努力をたたえる機会を多数設けている。

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