「経費精算が大好き」なワタシになるのだシゴトハッカーズ(2/3 ページ)

» 2008年11月20日 12時50分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

何がしたい何がしたくないというのは、自己イメージや行動のイメージの問題だったりするので、ポメラでなくとも、例えば議事録のノートが「ちょっとしたもの」だったりするだけで、報酬として機能するかもしれません。

  「それ」をしている自分が好きになれない、というとき、人は「それ」をしたくなくなるということが結構あって、それは活動自体とは、あまり関係なかったりします。米国留学時代、教授によく聞かされた話なのですが、「イメージで学者になる」という人は意外と多いんだそうです。研究室で、PCを使ってコーヒーを飲みながら勉強している自分の姿が好き――だから学者になってしまったという人は、実は少なくないと。しかしそれは、PCを使ってコーヒーを飲みながら、自宅で勉強すれば誰でもやれることのはずだ、とも。ホワイトボードを使うのが嫌だとか、会社で用意されているノートが嫌だとか、そういったところを自分で決められるとすれば、議事録をつけることのイメージが変わるということも、実際あると思います。

自分が働きたい姿をイメージして、それに合わせて周りの環境を変えると。なるほど。

 ほかの例として、経費精算ってやらなくちゃいけないけど、非常に面倒な作業ですよね。これってどうすればいいのかな、といつも考えます。

よく聞く悩みですね。個人的には、経費精算が大好きなので、ため込んでしまう人がいるのが不思議なくらいなのですが、おそらく成功体験の差ではないか、と思っています。

 私は独立以来、経理も自分でこなしているのですが、会計ソフトを使いながら、会計の勉強も兼ねられるため、そのソフトをあれこれいじったりするのが楽しいのです。経費を入力するたびに損益計算書が更新されて、「あ、赤字幅が拡大した!」とか、売上を計上すると、一時的に黒字化するのですが、貸借対照表ベースでは赤字のままで、「入金日までが待ち遠しい」といった、何らかデータを入力することで、全体の“模様”がめまぐるしく変わるのが興味深く、そして楽しく感じられるのだと思います。

 経費精算をためてしまうのは、やってもやらなくても、少なくとも自分には何の変化も起きないからではないか、と思うのです。こうしたことは独立しなくても、会社員の方でも実感する方法があります。僕自身が会社員時代にやっていたことですが、Excelで簡単な表を作り、日付と金額と明細を入力していくようにします。毎日退社前にこの表に入力していくことで、当然ですが、月間でいくら使っているかが分かるようになります。続けていくことで「今月は多かったな」とか「銀座に行く回数が多いな」ということが分かります。それが分かったからといって、特にメリットはありませんが、僕自身は、似たようなデータが並ぶと「ひょっとしてこれは、もっとラクに入力できるのではないか?」と思い始めるのです。それで、ExcelのLookup関数や早く入力するためのコマンドをいろいろと調べてきて、この表に組み込んでいくことで、効率良く入力できるようになり、結果として「今日も経費精算が楽しみだ」というふうになるのです。

なるほど。単調な作業こそ、どこかに効率化できるスキがないか……と探していくこと、効率化のための策を練ることって、確かに楽しいですよね。

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