「福利厚生の無料紹介」で中小企業を元気に――ソリマチ[働きやすい」を形に イマドキの福利厚生(2/2 ページ)

» 2008年11月26日 17時00分 公開
[豊島美幸,ITmedia]
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振込み手数料は1件158円コストダウン、まだあるユーザーへの継続戦略

 同社ユーザーへの継続戦略はこれだけではない。

 ジャパンネット銀行と提携し、日常の会計業務で行う振込み手数料を52円〜262円と、メガバンクなどの420円と比べると1件当たり158円ものコストダウンを実現。たった1件で158円変わるとなると、1円でも切り詰めたい中小企業には見逃せない数字だろう。「これもユーザーだけのサービスです。ぜひ活用してほしい」と反町社長は胸を張る。

 そもそもジャパンネット銀行との提携話は、ジャパンネット銀行側から持ち上がった。折りしもソリマチでは、経理業務の中でも負荷のかかる、預金取引の仕訳を、システム上で簡便化できないか検討していた。ジャパンネット銀行は、経理担当者が仕訳作業をせずに、預金取引を自動仕訳処理するシステムの共同開発を快諾。提携が決まったという。

 また、話は社長同士で詰めていった。1つの稟議を通すのに時間がかかるメガバンクの対応と違い、スピーディーかつ柔軟だったのも提携を決めた理由だと反町社長は言う。両社間で手数料のやりとりは発生していない。

 これらのサービスは「王10」シリーズの「会計王10」「給料王10」や「販売王10 販売・仕入・在庫」「みんなの青色申告10」のソフトウェア購入者が対象だ。地方銀行の第四銀行とも提携を開始した。「今後ももっと提携取引先を増やしたい」としている。もちろん、ソリマチの提携銀行を使うか否かはユーザーの自由である。

素顔が見える「社内報」、皆が活用する「結婚記念日休暇」も

「WILL21」を手に話す反町社長

 「ソリマチを100年以上、継続しようと思っています」と、反町社長。ただ仕事を続けるには、家族にも従業員の働いている姿を知ってもらい、理解してもらう必要がある。そう考え、2007年からは社内報「WILL21」を発行している。

 当初は1年で1号発行すれば十分と考えていた。ところが従業員やその家族に好評につき3カ月に1号と、思ったよりハイペースで発刊中だという。従業員が社内報に載る時のルールは1つ。「スーツで写るのは禁止です」

 社内報をパラパラと見ると、なるほど皆一様にスーツの上着を着ていない。そのためか表情もどこかやわらかい印象だ。「素顔が見られるので、部署を越えたコミュニケーションに役立っている」という。

 ソリマチには「結婚記念日休暇」制度もある。

 文字通り、結婚記念日が休暇になる制度である。「カレーでも作って交流を温めてほしい」と反町社長。ただこの休暇制度は平日のみ有効で、振り替えができない。そのため、祝祭日が結婚記念日だった既婚者や、制度を使えない独身者から不満の声もあがっているようだ。「ちょっと改良しないといけませんね」

 とはいえ記念日と無関係な振り替え日に大切な記念日を祝うのは、いささか情緒が欠ける。記念日は当日に味わってこそ醍醐味がある。そういう意味では“振り替え不可”は粋な制度かもしれない。しかもこの制度、形骸化することなく、該当者は皆、当たり前に休んでいるという。


 「ガンバレ中小企業!」。ソリマチの熱いエールがユーザーにどこまで伝わるか――。

「ガンバレ中小企業!」と、ガッツポーズの反町社長。机には「王10」シリーズがズラリと並ぶ

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