対談者二人と編集者を含め、3者3様と言っていいくらい、ファイルのダウンロード1つとっても人によってやり方が違います。もともと、仕事のやり方というのはそういうものだと言うこともできます。
ただ、話をファイルのダウンロードに絞るなら、これを難しくしている原因の1つは、心理的なものです。
というのも、デフォルトでそう設定されているということもありますが、ファイルのダウンロード先は、あまり深く考えずデスクトップにしておきたくなるからです。なぜなら、デスクトップに置いておけば「目に見えるところに置く」ことができるからです。
これは、「やらなければいけないこと」を忘れるのが怖いため、付せんに書いたタスクを机やPCのディスプレイにぺたぺた貼っておきたくなる心理と同じです。私たちは自分の記憶力の性質と限界をよく承知しているのです。目に見えなくなると、存在を忘れてしまい、致命的な時期が来るまで思い出せなくなる、という不安があるのです。
しかし、デスクトップに無造作にダウンロードファイルを保存していくと、2つの典型的なトラブルに見舞われやすくなります。
この2つの問題を避けるには、次の2つのうちどちらかの戦略が必要になるはずです。
いずれの場合もポイントとなるのは、ただ単に「ファイルが目に見えている」からといって、それは安心できる状態ではない、ということです。たくさんのファイルが目に見えていれば、どれが大事なのか、むしろ分からなくなるのです。
1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』、『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、『Life Hacks PRESS vol.2』、『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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