改めて考えよう、失敗から有益な情報を学び取る方法3分で読める! 隣のヤツより成果を出す勉強術(2/2 ページ)

» 2009年02月16日 12時04分 公開
[水野浩志,ITmedia]
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失敗を活かすための結果の受け止め方

 失敗を活かせないもう1つの重要な事柄は、

  • 失敗という結果を「オール・オア・ナッシング」で受け止めてしまう

 ということです。目標を達成できなかった失敗について、言い訳せず、すべて自分の責任として受け止めるという姿勢は大変素晴らしいと思います。しかし、失敗したといっても、結果がまったくのゼロだったということは少ないはず。何かしら結果が出ているはずですから、どこまで望む効果にたどり着けたのか、きちんと確認することがとても重要なのです。

 結果というものは、何らかのプロセスによって生まれてくるもの。失敗から学びを得るということは、

  • そのプロセスのどこまでうまく行き、どのポイントでうまくいかなかったのか

 をきちんと把握することなのです。そうすれば、うまく行かなかったポイントに集中して取り組め、最終的には成功という成果を手に入れられるのです。

失敗から学んだ具体的事例

 私は、自分の禁煙体験を通じて独自の悪習慣改善プログラムを創り上げ、そのセミナーを開催する講師として、この仕事をスタートさせました。

 禁煙セミナーですから、受講者から明確に求められる目的や効果があるわけです。一般的な講演やセミナー、研修のように「いい話が聞けた」というレベルで終わらせるわけにはいきません。しかし、初めのうちは、結果を出す人がせいぜい3割程度。「7割の人には失敗」したわけです。

 そこで1日のセミナーカリキュラムのうち、どの部分で参加者がどういった意識変容を起こすかという仮説をブロック単位で細かく設定しました。セミナーのたびに、そのブロック単位で望む変化が参加者に現れたかをチェックするようにしたのです。

 すると、このブロックまでは、多くの受講者が納得してくれているが、このブロックで、一部の受講者の気持ちがなえたり、モチベーションが下がったり、といったことが見えてきたのです。そしてその都度、うまく行かなかったブロックを見直し、カリキュラムを新しく練り直したり、意識変容のプロセスを再設計したりといった形で、仮説→検証→仮説→……を繰り返していきました。

 その結果、セミナーを開始して1年後には参加者の8割が48時間以内に行動を起こし、1カ月後の追跡調査では、全参加者中5割の人が「新しい習慣が定着した」と回答するまでに至ったのです。こういった成果も、すべて目的や成果の基準を明確にし、プロセスを細分化して本当の失敗の原因を洗い出すということをやってきた結果なのです。

 そして、このことをさらに深めて考えてみると、皆さんが求める成功というものは、

  • 数多くの失敗を検証した向こう側にある

 と言えそうです。

 しかし、もしあなたが失敗を恐れる気持ちが強く、なかなかチャレンジができないというのであれば、その気持ちを克服するための心構えについて、以前私がメルマガで書きましたので、是非こちらも参考にしてください。

 失敗を恐れずに、多くのチャレンジをし、そして、成功の要素を学び取って、たくさんの成果を生み出すビジネスパーソンになってくださいね。

2009年3月14日 講師の方向け「高品質セミナー作成講座」公開セミナー

セミナーや研修の講師をされる方向けに、参加者に行動変容を起こし、成果を生み出すカリキュラムの構築手法を解説する1日セミナーを開催します。

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著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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