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» 2009年04月03日 10時30分 UPDATE

シゴトハッカーズ:「タスクの整理は完璧……でも計画通り進まない」から卒業するのだ

いくらタスクシートを完璧に作り込んだとしても、なかなかその計画通りには進まないもの。今回は、設定したタスクシートに沿って、道を踏み外すことなくタスクを実行していくコツについてご紹介します。

[大橋悦夫、佐々木正悟,Business Media 誠]
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 前回までは、タスクを整理して並び替えるための方法論を話し合ってきました。言ってみれば準備体操のようなものです。しかし、どんなに入念に準備を重ねても、実際に走り出してみたら、足をくじいたり、小石につまづいたり、といったことはあるでしょう。

 そこで今回は、取りかかる順番も含めて作り込んだタスクシートに沿って、道を踏み外すことなく実行していくためにはどうすればいいか、ということについて考えていきたいと思います。

 例えば、スケジュールを立てて、今この瞬間にやるべきことが明確になっているのに、なかなか手が着けられないということはないでしょうか?


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 よくあります。タスクリストを準備してさあ仕事を始めるぞ! というところまではいくのですが、実際には


  • なかなか取りかかるやる気が起きなかったり、
  • タスクの所要時間を見誤ってしまったり
  • 予定外のタスクが割り込んできたり

 して、きっちり時間通りに進むことが少なかったりします……。

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 1つ目の「なかなか取りかかる気が起こらない」というのはよくある問題ですが、これは「直近の締め切り効果」をうまく利用して、やる気を起こすことで解決できます。

 例えば今が14時30分だとして、15時からミーティングの予定が入っているとしたら、それまでに抱えているタスクを片付けたいというモチベーションが高まりますよね。これが「直近の締め切り効果」です。

 「今週中に」という長くてあいまいな解釈を許す締め切りではなく、直近に締め切りを設け、そこまでに片付けるべきタスクを限定すれば、取りかかることによるメリットとデメリットがはっきりするため、すぐに取りかかる習慣が身に付くようになります。

 2つ目の「タスクの所要時間を見誤る」というのも、この方法で改善できます。なるべく直近の締め切りを多く設けるようにすれば、締め切りと締め切りの間のスパンが短くなりますよね。その結果、1度にまとめて行うタスクの数も絞られるため、時間の割り当てが正確になります。極端な話、直近の締め切りまで30分しかなければ、30分を大幅に超えて見積もりが狂うことはないわけです。

 3つ目の「予定外のタスクの割り込み」ですが、これはいくつかの対処法が考えられます。一番簡単なのは、とりあえず、直近の締め切りの予定の直後に回すことです。そうすれば少なくとも、直近の締め切りまでの自分の予定が大きく狂うことはなくなります。

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 なるほど。そのとき抱えているタスクすべてを処理するような「完璧な計画」を立てるのではなく、時間を細かく区切ることで、状況に応じて臨機応変に対応できるような計画を立てるわけですね。

 この場合、「直近の締め切り」というのは、ミーティングなどあらかじめ設定されているスケジュールを目安にした方がよいのでしょうか? それとも、自分で任意に時間を設定するやり方もありなのでしょうか?

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 ミーティングに限らず、例えば「15分後に、ちょっと立ち話でいいので相談に乗ってください」といったように同僚や先輩に声をかけておけば、そこからの15分間は密度の濃い時間になります。

 どこかに出かけるような場合も、乗換案内などで乗る電車の時刻を調べておけば、出発までの時間もまた濃くなります。このように、自分では動かせないように締め切りを設定するのがコツです。さもないと、「終わりそうもないから、仕方がないか」という言い訳でもって、押し流されてしまいます。

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 直近に次のスケジュールが入っていない場合は、自分で強制的に締め切りを作り出してしまうわけですね。短い間隔の締め切りを意識するには、以前連載で紹介したように、アラームなどのツールを利用するのもよさそうですね。

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 そうですね。ただ、タイマーをセットするだけですと、タイムリミットを迎えても音が鳴るだけでペナルティーは発生しませんから、どこかで油断してしまうおそれはあります。

 今回紹介したように、人を介在させることで「相手に迷惑をかけてはいけない」「自分で言っておいて遅れたらカッコ悪い」という気持ちがわき、強制力が働くのです。電車の時刻にしても、遅れれば乗り損なう、というペナルティーと背中合わせになります。

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 「直近の締め切り」に挟まれた時間帯でタスクをこなす概念をイメージしやすくするために、「SmartTime」というツールを参照してみてください。iPhoneでしか使えませんし、タスクが膨大になってくるとスムーズに動きにくくなるという難点はあるものの、イメージはわきやすくなると思います。

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 おお、これはいいですね! タスクを自由に並び替えて長いスパンのToDoリストを作ろうとすると、時間などの制約が少ないだけに案外迷ってしまうものですが、「スケジュールとスケジュールの間にタスクをはめこむ」感覚で行えば、「このタイミングでこれを終わらせるしかない!」という必然性が出てくるので、タスクの並び替えも速くなりそうです。

 「このタスクは残り30分で全部終わらせるのは無理そうだけど、細かく10分ごとに分解すれば3分の2までは終わらせることができるぞ」という風に、前回取り上げた大きなタスクを分解する練習にもなりそうですね。「直近の締め切りを設定してのタスク管理」、さっそく試してみます。大橋さん、佐々木さん、ありがとうございました!

筆者:大橋悦夫

大橋
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1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタルハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』、近著に『成功ハックス』がある。

筆者:佐々木正悟

佐々木
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心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。


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