みんなで作るクイズ共有サービス『クイズ研』を立ち上げ、クイズを軸としたビジネスを展開している岩崎さん。岩崎さんの見る「クイズコンテンツの可能性とビジネスチャンス」とは――。
ひとりで作るネットサービス第41回は「クイズサイトで一番!」を目指す岩崎輝之さん(33)にお話を聞いた。みんなで作るクイズ共有サービス『クイズ研』をひとりで立ち上げ、2009年に独立、クイズを軸としたビジネスを展開しつつある岩崎さん。彼の狙いはどこにあるのだろうか。
「じっくり作りたい、という気持ちがありますね。作りながら改善、というスタイルも良いのですが、それだと初期のユーザーに流されてしまうという面もあります」。クイズ研の開発には数カ月をかけたという岩崎さん。現在もバージョンアップに向けて日々構想を練る毎日である。「作ろうと思えば基本的な機能は1週間でも作れました。しかしこのサイトに関しては将来の構想を考慮しつつ、じっくり開発していきたいと思っています」
クイズというのは半永久的なコンテンツである。従って途中で大規模なバージョンアップを行うと、過去のクイズコンテンツが活用できなくなる場合もあるのでは、と岩崎さんは考えている。
「クイズは企業のプロモーションでもよく使われます。またクイズはある意味学習コンテンツでもあります。そう考えるとクイズというコンテンツにはさまざまな可能性があると思うのです」。しかし、クイズといえばここ! という定番サイトが今のところ日本にはありません、と岩崎さんは続ける。「とりあえず目指しているのは『クイズといえばクイズ研』というポジションを獲得することです」
「サイトをより良い物にしていくこともさることながら、まだまだ知名度を増していく段階と思っていまして、さまざまなユーザーのためにいろいろな形でクイズ研のサービスを提供しています。iPhone版のほかにも、AdobeAIR版やiGoogle版などを用意していますし、毛色の違うところではTwitterボット(@quizken_jp)もあります。準備中の携帯版もその一貫です」
岩崎さんは東京都出身。PC好きだった叔父さんの影響もあり、小さいころからPCでゲームなどをして遊んでいた。高校生になるとパソコン通信にはまり、プログラミングにも手を出してみた。「当時のPCがとにかく遅かったので、速いらしいよ、といううわさだけでボーランドの「ターボアセンブラ」を買い求めました。案の定、とっつきにくくて大したものが作れませんでしたが」。岩崎さんはそう言って苦笑する。
大学でもPCサークルに入部するが、ずっと男子校だった岩崎さんは「いわゆるコミュニケーション力を高めないといけないと思って」テニスサークルにも入ることにした。そのせいであまりPCサークルには顔を出さなくなったが、大学の端末室にはよく行っていた。テニスサークルでは「4年間、成果はありませんでした……」とのことだが、端末室ではWebページを作ったり、授業の課題を解くためのプログラムを書いたりと、コンピュータには慣れ親しんでいた。
その流れもあって将来はソフトウェアを作りたい、と思っていた。大学の同期はメーカーに就職する人が多かったが、岩崎さんは「ソフトウェアで成功している会社を探して」ロータスに無事入ることができた。そこではLotus NotesのWebアプリ版を作る仕事についた。日米中の共同プロジェクトにもかかわり、米国に数カ月住んでいたこともある。その後ロータスが親会社の日本IBMに統合され、転職を意識しはじめた。小さい会社で自由に仕事をしたいと考えていた岩崎さんが出会ったのが、当時20名ほどだったオウケイウェイヴ(当時オーケーウェブ)だった。
「話を聞きに行ったら彼らの熱い思いが伝わってきました。小さい会社だったこともありますが、みんな知識がある人たちばかりですぐに転職することを決めました」。その後開発リーダーとして企業向け、個人向けサービスの開発に関わるが、上場を機に「独立してみるのもいいかな」と思い始めたという。
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