文具王的名刺交換術文具王の「B-Hacks!」(2/2 ページ)

» 2009年06月19日 21時20分 公開
[高畑正幸,Business Media 誠]
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その3 テキストデータ化はScanSnap

ScanSnap S1500M

 iPhoneに取り込んだ時点で、それだけでも電話ぐらいなら連絡には困らないわけだが、連絡の多くがメールに移行しつつある今、やはり名刺情報はPCにテキストデータとして入力しておきたい。

 以前から私のデータ保存に欠かせない存在であるScanSnapだが、最新のS1500シリーズからは、やっとMac OS用にOCR機能が搭載された(Windows用は以前から対応済み)。これを使って名刺を読み取る。名刺はレイアウトや字体によって、判読率にはばらつきがあり、誤字のチェックは必須だが、それでも全部手打ちだった頃から考えると断然楽だ。

 これで読み取ったデータは、自分の「アドレスブック」と同期させればOK。その際に、余裕があればメモとして、商談内容や相手の特徴なども記入しておくこともある。必須ではないが、意外に役に立つことも多い。

その4 校正も兼ねてお礼メール送信

 名刺データを登録したら、ついでにさっき撮影した写真を「アドレスブック」にペースト。これでメールのやりとりでもiPhoneでも、受信の際は顔写真付。アドレスなどにピンとこなくてもあいてがだれかハッキリ分かる。

 そしてOCRの校正も兼ねて、そのメールアドレスにお礼か打ち合わせ確認のメールを送信。これで自分のメーラーの中に、アドレス付の情報が1本残ることになる。いつでも引用可能だ。

 仮に記録が手元になくても、メールを検索すれば相手へのメールが可能になる。ついでに一言あいさつしておけば、相手からは気が利く人だと思われて一石二鳥。その文面だって、いちいち書く必要はない。

 ビジネスでの名刺交換のシチュエーションなんて、だいたいいつも似たり寄ったりだから、「わざわざ来社してくれてありがとうございます」とか、「わざわざお時間とっていただいてありがとうございます」っていうような文面のテンプレートをいくつか用意しておいて、そこに名前を打ち込めば終わりだ。

 もちろんここで、心を込めて手紙のハガキを、なんてできれば最高だが、結局続かないし、たとえ用意した定型文でも送らないよりはずっとマシである。返事がもらえれば、そこから話を広げればいい。

 そんな時にも、相手の顔写真がメールの隅に表示されるだけで、返事を書くのが驚くほど楽だ。コミュニケーションしている相手が自分の中でハッキリイメージできるほど、文章も書きやすいし、失敗も少ない。

その5 オリジナルはアイウエオ順で箱に入れて終わり。

 転記が済んだオリジナルの名刺は、日付を記入して、企業名のアイウエオ順で名刺ボックスに収納。「アイティメディア」なら、「ア」のところに入れて終わり。それ以上は細かく並べ替えない。もし、どうしても名刺を後で確認したくなった場合でも、「ア」の中には必ず入っている。

 それで充分。未入力のものは、ここに入れずに、別の箱に時間順でとりあえず放り込んでおく、こちらはまず使うことがないので、実際は捨ててしまっても問題ないと思うが、私の場合、たいした量ではないので、とりあえず取り置きしてある。

 ボックスタイプの名刺ケースの場合、一箱に約700人分も名刺が入るから、「思い切って捨ててしまうのも面倒なので、とりあえず置いてある。

 文章で書くと長いのでめんどくさそうに見えるかもしれないが、基本的には、名刺交換の時に、デジカメなどで相手の写真と名刺を続けて撮影するのと、名刺をスキャナで読ませたら、そこに写真をドラッグして登録だけ。

 続かなければ意味がない。できるだけその場で済ませ、手間をかけないことが重要だ。

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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