ホワイトボード代わり? 粉が飛ばないチョーク、壁に貼る黒板“最新オフィス機器”動向調査

東京ビッグサイトで開催中の「国際オフィス機器展 OFMEX 2009」の会場で、フィルムタイプの黒板とホワイトボードを見かけた。書き込みに使うのは、ペンホルダーに入った粉が飛び散らない特殊チョークだ。

» 2009年07月08日 19時55分 公開
[杉本吏,Business Media 誠]

 教育の現場や駅構内などではよく見かける黒板だが、チョークを使うと手が汚れるし、粉を吸い込むと体にも悪いらしい――そんな理由で敬遠している人も多いだろう。こうした問題を解決すべく、近年は粉が出ないタイプのチョークが登場してきているのをご存じだろうか。

 日本理化学工業の開発した「ダストレスチョーク」はその一例だ。主原料は歯みがき粉などに使われる炭酸カルシウムで、粒子が重いため粉末が飛び散らないという特徴がある。ダストレスチョークは主に幼児向けの絵描き用ペンとして販売されているが、ビジネス用途にも使えそうな製品を「国際オフィス機器展 OFMEX 2009」で見かけたのでご紹介しよう。

フィルムタイプのホワイトボード「E-Well Screen Board」(左)と黒板「E-Well Water Board」(右)。粉が飛ばない専用チョークはホルダーに入っており、ペンタイプの消しゴムのように繰り出して使う

 広告パネル用にラミネート加工したフィルムなどを販売している韓国のメーカー・GAYALANDのブースで見つけたのは、壁に貼って使うフィルムタイプの黒板とホワイトボード。書き込みには通常のチョークやホワイトボードマーカーも使えるが、GAYALANDがすすめるのはホルダー入りの専用チョークペンだ。

 チョークは植物由来の天然成分などを用いて作られており、「食べても問題ないほど無害」(GAYALAND)だという。ダストレスチョークと同じく粉が飛ばず、濡れた表面にも書き込める。素材にはチタンや動物性牛脂、鉱物質なども用いられており、チョークというよりはクレヨンのような、なめらかな書き心地だ。

書き味はなめらかで、チョークが太めのペンホルダーに入っているので手首が疲れにくい。チョークの粉が飛び散らないため、粉によるアレルギーやぜん息などを防げる

 黒板/ホワイトボードフィルムに書き込むときは、このチョークをペン型のホルダーに入れて使う。手が汚れることなく使えるのに加え、いわゆる「ペン型消しゴム」のように繰り出し式のため、チョークがすり減って短くなっても書きやすい。消すときは水で湿らせたイレーサーを用いるが、湿らせたタオルなどの布でも問題なく消せる。

フィルム裏面には粘着剤が付いており、壁に貼り付けて使う。カレンダーのように日付が入っているタイプなども展示されていた

 黒板タイプの「E-Well Water Board」は、裏面に粘着加工が施されており、壁紙のように貼り付けて使える。使えなくなった既存の黒板の上に貼り付けて使えば、通常の黒板を改修する場合に比べてコストは約10分の1ほどで済むという。

 ホワイトボードタイプの「E-Well Screen Board」は、乱反射を減らすと言う特殊な無光処理が施されており、プロジェクションスクリーンとしても使用できる。こちらも黒板タイプと同じく粘着加工が施されており、壁などに貼って使える。

 いずれのタイプも、韓国での価格は4×1.2メートルで5万円弱(工事費別)。チョークの色は白/赤/青/黄の4色を用意している。「韓国や米国ではすでに小学校〜大学まで幅広く使われている」(GAYALAND)というが、会議室やフリースペースなどに設置しておく低コストなライティングボードとして、ビジネスの現場でも活躍できるだろう。

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