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» 2009年07月21日 18時30分 UPDATE

人を動かす話し方講座:相手を乗せて話をさせる“さんま流”相づちテクニック

人との会話を弾ませる「会話盛り上げ能力」を高める方法を、今回は明石家さんまさんのトークから学びましょう。

[水野浩志,Business Media 誠]

 円滑なコミュニケーションを行うには、周りの人から「この人とお話しするのはとても楽しいな」と思ってもらうことが重要です。今回は、人との会話を弾ませる「会話盛り上げ能力」を高める方法を、明石家さんまさんから学んでみましょう。

会話を弾ませるテクニックって?

 「恋のから騒ぎ」や「さんまのスーパーからくりTV」「さんまのまんま」など、多くの長寿番組で活躍している明石家さんまさん。なんと、現在のレギュラー番組のすべてが10年以上放送され続けているんですね。

 私はさんまさんが大好きで、彼の番組はよく見ているんですが、それは、単に面白いからというより、むしろトークの勉強をするために見ているんです。

 あの人、お笑い系の人ではありますが、ほかのお笑い系司会者の方と比べて明らかに突出した能力があります。それは、

・人に面白いことを言わせる能力

 なんですよね。

 彼の番組をよく見ていると、爆笑のポイントはほとんどの場合、さんまさん自身ではなくゲストや出演者です。

 島田紳助さんやタモリさんのような、ほかのお笑い系司会者の番組を思い出していただけると、違いがよく分かると思います。普通のお笑い系の司会者は、自分自身で笑いを取ってきます。

 しかしさんまさんは、自分で笑いを取ろうとはあまりせず、あくまでも笑わせどころは出演者に持たせますよね。そのとき自分は指し棒で机をたたいたり、床に寝転がったりと笑う側に回っています。

 人からこれだけ笑いを引っ張り出すことができる力って、ものすごいと思いませんか? その面白い話を引き出す技の1つが、

・相づちのテクニック

 なんです。

テクニック:さんま流相づちテクニックとは?

 さんまさんは、相づちが非常にバリエーションに飛んでいます。

 でもよく聞いてみると、実は3つの言葉が組み合わされてできています。

 まず1つは、うなずき系。

・「うんうん」「ほぉ」「はいはい」「なるほど」「へえ」

 といった言葉ですね。

 2つ目は、うながし系。

・「それで?」「そしたら?」

 といった「次を聞かせて!」というニュアンスを持った言葉です。

 そして3つ目が復唱系。これは、

・相手が言った言葉を手短に繰り返す

 ということです。

 さんまさんは、この3つの言葉を適宜組み合わせて、相づちを打ちます。しかも話の盛り上がりにあわせて相づちに厚みをつけていくんですね。最初は、

 うんうん

 なるほど


 といった、短めなうなずき系の言葉なんですが、話が乗ってくると、

 うんうん、それで?

 なるほどお! そしたら?


 といった、うなずき系+うながし系になっていきます。そして、話が大いに盛り上がってくるところに差し掛かると、

 ほお、奥さんが「あんたなにこれ!」って言った、うん、それで?


 と、うなずき系+うながし系+復唱系が合わさった相づちに変わってきます。

マインド:相づちとはコミュニケーションの場作りである

 人間というのは、黙って聞いてたり、適当な相づちを打つだけでは、本当に自分の話をきちんと聞いてくれているのか不安になります。

 しかし、さんまさんのように、これだけうまい相づちをされたら、誰でも気持ちよく乗っておしゃべりができるのでしょう。

 トークの基本は、相手の話を上手に聞くことといいますが、この上手な聞き方をするに当たり、一番大切なのは、「相づち」なんです。

 だからこそ、この「しっかり話を聞き、上手な相づちを打つ」ことこそが、相手の心をつかむトーク術の重要なポイントになります。

 これは、2人だけで話しているときでもそうですが、例えば、会議の場など、大勢の中で話を聞くときにも、非常に重要になります。というのも、

・相づちとは、会話をする場を良い形に作り上げていく

 ことになるからです。

 もしあなたが、議事進行で発言者の意見を聞くとき、このように相づちを打ってみましょう。周りの人たちもその相づちに合わせて、きちんと相手の話を聞き入り、理解しようとするようになります。

 こういった「人の話をきちんと聞く場の空気作り」がきちんとできるようになると、話し合いの中でもあなたがイニシアチブをとれます。またとてもいい雰囲気の中で話し合いそのものを進めていけます。

 私はセミナーで質問を受けるときなどで、このテクニックを活用しています。

 質問者は、見知らぬ人の前で話をしなければいけないわけで、結構緊張したりするものです。そんなときに、このような相づちを打ってあげると、徐々に言葉も出てくるようになり、緊張も解けてしっかりと聞きたいことを聞いてくれる。そして周りの人たちも、その人の質問を聞き入り、当然ながら私からの答えも一所懸命に聞いてくれるようになるのです。

 人とコミュニケーションをとるときは、相手の話を聞き、自分の伝えたいことを話すことを重視しますが、これらをきちんと行うためには、コミュニケーションの場作り、という考え方がとても重要です。

 ぜひ話しやすい場、聞きやすい場を作るために、さんまさんのトークを参考に相づちを有効に活用してください。

著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

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 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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