吉川 ただ情報環境だけでなく、エコバッグ買うとか、自分で野菜作るとか、生活者の中では「安心」に入っている。というのは「あなたの身の回りで安心を感じるモノを写真に撮って下さい」という調査を実施した。1600枚の応募で自然環境が一番多かった。理由が書いてあって、「誰も植えろと言われてないのに、ここに住んでいる人が勝手に植えた菜の花」「変わらないモノは安心する」とか。山とか太陽とか海とか空とか、そういうもの。
堀内 ほかにどんなものがありましたか?
吉川 ほかに食関係があがってくるんですけど、安全という意味で言うと。これも理由がふるっていて、もちろん安全をみんな言っているんですけど、でもそれと同じぐらい「ちょっとでも自分で作れば自給率あがるじゃん」と書いているんです。要するにすごい自給率の問題に対して、「こんなちょっとなことだけど、自分でやった方が少しだけでもあがるじゃん」と。
あと、雑貨もいっぱい出てくるんですけど、そのほとんどで出てきたのが、エコバッグ。エコバッグが「安心」の写真で上がってくるんですよ。なんでか? ちょっとしたことなんだけど、ポリバッグがエコバッグに変わることで安心する。
柳澤 セコムのマークはでませんでしたか?(笑)
吉川 そういったマークもあるけど、そういったものは(じぶん定め)系の写真で出てくる。もっと言うと、1万円札5枚並べて写真撮ってくる人もいる。あとパソコン。パソコンではないんですね、情報なんです。それを持っていればいつでも判断できる。携帯電話も出てくる。パソコンと携帯電話と同じように情報というと本も出てきます。本棚の写真が何十枚も出てきました。
堀内 本も、安心の象徴なんだ。
吉川 自分がこういう本からいろいろ学んだ。いざとなったらここに立ち返る。人は家族とか友人とかいっぱい出てきます。子供とか。もちろん。地域のパトロールカーも出てくる。それはここ(まわり固め)。そういった「じぶん定め」「まわり固め」に加えて、「仕組み直し」といえる写真がいっぱい出てきた。
細谷 「仕組み直し」は、もうロングテールですよね。
吉川 そう。生活者がかなりこれは、だから多分生物としての危機を感じ始めているのではないかと。写真だけを見ると。年齢とか全然関係ないですね。どちらかというと現実的なお金とか情報とかを選ぶのは女性。
柳澤 確かに、結婚したり、子供を持ったりすると、ライフステージ毎にお金に対する価値観は変わってきますよね。
吉川 なので、だから企業の組織論とかから離れますけど、その生活者を相手にしている企業は生活者がそこまでもう行っているんだという風に思って、マーケティング活動とか、どういうサービスを提供するんだと考えて行くといいですよと提案している。でも組みやすいと思うんですよね、ただ口を開けて待っているだけの生活者じゃないので。うまく組んで行ければいいんじゃないかなと思うんです。
堀内 なるほど、1個1個の選択に社会性を感じているというか。
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