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» 2009年08月04日 10時00分 公開

アイデア・スイッチ:“1人ブレインストーミング”4つのルール (3/4)

[石井力重,Business Media 誠]

最も重要なルール1つに絞る

 ブレストのルールのうち、もっとも重要なのは「判断遅延」です。

 4つのルールの重要度を単純化していえば下図のようになります。

 つまり、「判断遅延」だけでも、かなりブレストに近い状態になれる、ということです。

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 なお、これは創造技法の各専門家や、プロの企画マンたちとの議論を通し、筆者が整理したモデルです。そのため、この割合は、ビジネスや製品開発の分野に限定されることを、あらかじめ申し上げておきます。

 ここでは、この最も重要なルールである「判断遅延」だけを使って、ブレストを比較的容易に実施できるやり方を紹介します。

ステップ 実行方法 解説
ステップ1 アイデア出しに使える時間を決めます。 例えば、アイデア出しに使える時間を20分と決めたら、「良いか悪いかの判断はあと回し。20分間は思いついたことをすべて書き出す」と明確に自分に宣言します。
ステップ2 アイデアを出します。 アイデアというのは、思いついたばかりのときは、本質的に未成熟な存在です。大人の頭は、未成熟なアイデアを自己否定しがちです。いいかけて途中でやめるような行動にそれが見られます。アイデアが出なくて苦しいときには、大抵の場合、思いついていないのではなく、「判断能力」が未成熟な発想を、説明に足るアイデアへ昇華する前に殺しているだけなのです。そこで、先ほどの宣言を明確に自分に意識させたうえで、未成熟なアイデアを大量に出していきます。新しいアイデアは「おもしろくないかな」「実行できそうにないかな」と感じる思いつきの中にもたくさんあります。
ステップ3 出しつくしたあとでも、20分経つまでは止めずにアイデア出しを続けます。 出しつくしたあとが、本来の創造力が働くゾーンです。アイデアと呼べないようなものや、当たり前過ぎるものまで、思いついたことをすべて書き出します。また、20分を過ぎても、まだアイデアが出続けるようならば、「プラス10分間」などと明確に時間を決めて、延長します。

 「良いか悪いかの判断はあと回し。20分間は思いついたことをすべて書き出す」という宣言を、紙に大きく書き出してください。

 ほかに一緒にアイデア出しをしている人がいる場合は、その人に向かって宣言します。これは、「今、何の作業をしているのか」を明確にしておく効果があります。

 思いついたことも、断片的なアイデアも、すべて紙に書き出すようにしてください。考えを「紙に書く」行為は、頭の中から思いついたことを追い出して、新しいアイデアを考え出すためのスペースをつくる効果があります。

 アイデア出しの時間を延長する場合、「何となく延長」はせずに、明確な終了時刻を再度、設定してください。

 その場合、先に書いた宣言文の紙に新しい終了時刻を書き加えます。ほかに一緒にアイデア出しをしている人がいるならば、延長することを相談し、終了時刻を確認します。これには、「判断を遅延する」意識に、自然と「判断してしまう」意識が混在するのを避ける効果があります。

 判断遅延というルール1つだけで、創造的努力が生み出す成果が何倍にもなるでしょう。

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