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» 2009年08月17日 14時30分 UPDATE

人を動かす話し方講座:「ねたむ・怒る・愚痴る」の三毒を追放する“三益キーワード”

勝間和代さんが取り上げたことで話題になっている三毒追放と言う言葉。「ねたむ・怒る・愚痴る」の三毒を追放する“三益キーワード”をご紹介しましょう。

[水野浩志,Business Media 誠]

 最近、あちこちで三毒追放という言葉を目にします。公認会計士で経済評論家でもある勝間和代さんが、この言葉を取り上げたことにより、ビジネスパーソンたちに知られることとなったようです。

 今回は、その三毒追放を身に付けるための、私なりの方法をお伝えしたいと思います。

分かるけど、なかなかできない三毒追放

 ここでいう三毒とは、「ねたむ・怒る・愚痴る」ということ。確かに今の世の中、ねたんだり、怒ったり、愚痴りたくなるようなことも多いですが、そんなことをしていてもなんの得にもならないですし、気分が悪くなるだけ。自分にとっても損なことだと思いますよね。

※8/18 14:00 初出時、三毒について誤解を生むおそれのある表現があり、著者の意図と異なるものであったため、訂正いたします(編集部)

 ということで、日常の中で「ねたまない・怒らない・愚痴らない」ことを心がけて、心安らかに毎日を過ごしましょう、と簡単になってくれればよいのですが、実際にはなかなかそうはいかないもの。多くの人は、いくら普段から心がけていたとしても結局この三毒が顔を出してしまうんじゃないかと思います。

 その結果、「自分は器が小さいし、短気な性格だからなあ」と性格のせいにしてしまい、三毒追放をあきらめてしまう人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめしたいのが、自分自身のトークを改善することにより、三毒追放をしてしまおう、というやり方です。

テクニック:三毒を三益に

 始めに、いきなり三毒の全部を自分から追放しようとするのではなく、練習もかねて1つだけの追放に取り組んでみましょう。

 あなたは三毒を追放したいと思っているのですから、おそらく「ねたむ・怒る・愚痴る」の行為をひんぱんにしているのだと思います。

 その中で、特にひんぱんに顔を出すものを選んでください。そして、そのときに自分の気持ちの中から沸いて出る「言葉」、一番出てくる頻度の高い「言葉」を1つ選び出しましょう。

 例えば、よく顔を出すのが「怒り」であり、よく出てくる言葉が「何をやっているんだ!」だったとしたら、この「何をやっているんだ!」を“三毒キーワード”として選ぶのです。

 次に、この言葉を「ねたまない・怒らない・愚痴らない」言葉に具体的に置き換えます。上の例で言えば「何をやっているんだ!」を怒らない言葉、例えば「ご苦労さま」という言葉に置き換えてみましょう。これが“三益キーワード”となります。

 そして、日常生活で今回決めた三毒キーワードが出てきそうになったら、すぐに代替キーワードに置き換えて口にしてみよう、という試みです。

 部下がきちんと指示通りの仕事をしなくて「何をやっているんだ!」と言いそうになったとき、ぐっとこらえてまずは「ご苦労さま」と言い、その後でしかるべきことを伝えましょう。機械的でもいいですから、三毒キーワードを三益キーワードに置き換えて口にするわけです。

 もちろん最初のうちは、思わず三毒キーワードを口に出してしまうかもしれません。そして、言った後に「ああしまった」と思って反省することが続くでしょう。

 しかし1カ月位すると、口から出掛かったりはするものの、その言葉を飲み込んで三益キーワードを言えるようになります。そして3カ月もすれば、決めた言葉に関しては一瞬心の中でその言葉が芽生えるものの、すぐに三益キーワードが浮かび、自然に口にすることができるようになるでしょう。

 こうして1つの三毒キーワードがクリアできたら、次のキーワードに取り組んでいくことを繰り返していくと、最初は3カ月はかかった改善が徐々に短縮され、それとともに、三毒の感情が占める割合もどんどん小さくなっていくことでしょう。

マインド:「××しない」と決めるのではなく「○○する」と決める

 「ねたむ・怒る・愚痴る」という、自分の中で直したいと思えるような思考や言動というのは、長年生きてきた中で染みついてしまった条件反射的なものだと私は思っています。

 この条件反射を直すためには、1日やそこらの期間で変えることはまずできないでしょう。身に付けたときと同じように時間をかけていきながら、新しい習慣として身に付けていくものだと思うのです。

 つまり、こういった自己改善はスポーツと同じく、ある程度時間をかけて訓練することによって身に付けていくものなんですよね。

 その訓練をする際に、「××しないようにしよう」と考えて取り組んだとしましょう。しかし、この考え方で、実際に思考や言動を変えられる人というのは、少ないように思います。

 なぜなら、悪い思考や言動をしてしまおうとするときに、「それをしないようにする」と考えると、具体的な行為がなにも決まっていないため、思考停止状態に陥ってしまうからなのです。

 訓練をするときに重要なのは「何をするのかを具体的に決める」ということ。具体的な思考や言動というものを決めて、それを必要なときに実戦していくことで、初めて訓練として有効となるのです。

 私自身も元々は短気であり、すぐに怒ってしまうような人間でしたが、「怒らないようにしよう」と思うと、どうしてもただ単に我慢することになってしまい、ストレスを感じて、結局はうまくいきませんでした。

 しかし「××しない」という考え方ではなく、「××する代わりに○○する」ということを決めておくと、やるべきことが分かっているので、思考や言動も停止することがありませんし、ストレスも我慢するよりはるかに軽く済みました。

 このようにまずは具体的な三益キーワードを決め、気持ちがこもっていなくても、あえてそれを口にし続けていくのです。そういった訓練を続けていくことによって、徐々に思考や行動がその決めた方向に向かって動くようになります。そうして次第に三毒を追放できれば、最終的には良い思考/言動の習慣が身につくこととなるのです。

 もしあなたが、三毒を追放したくてもなかなかうまくいかない、と悩んでいるのならば、自分が使ってしまう口癖のひとつだけで良いですから、その口癖を具体的な三益キーワードに置き換えて口にする、という訓練に取り組んでみてくださいね。

著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

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 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


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