社交辞令はあえてKYに受け止めてみるアラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

「また会いましょう」「今度オフィスにお邪魔しますね」「ランチしましょう」「飲みにいきましょう」――。社交辞令かもしれないが、こうした言葉に対して空気を読まずに真っ正直に反応すると人脈が拡大することもあるのだ。

» 2009年08月19日 11時40分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 「また会いましょう」「今度オフィスにお邪魔しますね」「今度ランチしましょう。○○にいいお店があるんです」「飲みにいきましょう」「ときどき、マーケティング担当者を集めた会合を開いているんです。今度お誘いしますね」――。

 あいさつ代わりにこうした言葉を使ったり、使われたりすることがある。もちろん、これらの言葉を軽い気持ちで発する人もいるだろう。ただ、自分が言われたときに「これって社交辞令だから単なるあいさつに違いない」と受け止めてしまったらそこで終わってしまう。

 もともと「社交辞令」かもしれないが、それを社交辞令ではないものにすることもできるかもしれない。

 そんなわけで、その相手と引き続き交流したい気持ちがあれば、「いつにしましょうか?」「○日はどうでしょうか?」などとその後の具体的な話に広げるのはどうだろうか。相手に「あ、とりあえずあいさつのつもりだったけど、ちょっと会ってみようか」と思ってもらえる可能性もあるわけだ。会うことを具体的な予定にして、そこでまた会えたら生きた人脈につながっていく可能性もある。

 私の場合、「そのうちオフィスにお邪魔しますね……」と社交辞令っぽく言っていた人に、「○日はどうですか?」と返答した。結局それがきっかけとなって日程を決め、オフィスに来てもらって、腹を割ってじっくりとお話をしたこともあった。

 このように、社交辞令はあえて空気を読まないという戦略もありだ。もちろん相手の反応を見て、本当にあいさつ代わりに発せられた言葉であって、実際には会いたくないようだったり、タイミングが合わなかった場合は深追いはしなかったりするのが肝要である。また、相手が著名で多数の人に会っている場合は「○○でお会いした××です」などと、自分を思い出してもらう工夫も必要だろう。

 いずれにせよ、社交辞令から実際の人脈に広げるには、ちょっとKY気味の返答が効果がある。人脈を広げたい――と思っている人は、「あの人には社交辞令が通じない」と思われない程度にKYぶってみてはいかがだろうか。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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