「つかみは大事」とよく言われるように、教育研修を始めるときの最初の数分の流れはその後のすべてを左右する重要なものです。2回に渡って最初の数分を構成するための6つのワークを紹介します。
こんにちは、開米瑞浩です。
いきなりですが、今回はちょっとマニアックな話をしてみましょう。テーマは、おおまかに言うと、
です。
これがどのぐらいマニアックかというと、この話をわたしの口から直接聞いたある人が「それってテレビ番組の構成作家の仕事みたいですね!」という感想をもらしたぐらいのレベルです。
構成作家? 正直言ってわたしには縁もゆかりも経験もない、まったく知らない世界です。おそらくこの記事を読んでおられる読者の大半にとってもそうでしょう。そのぐらい、普通は縁がない話です。
でも例えば社内で新入社員研修の一部を担当したけれど、「講師は未経験なのでやりにくくて困ってしまった」「どうせなら楽しく学んでほしいけれどどうしたらいいのか見当もつかない」という人には大きなヒントになると思います。これもずいぶん限定されたシチュエーションですが、ちょっとでも当てはまりそうな人はぜひご一読ください。
ここでもう一度自己紹介をしておくと、わたし、開米瑞浩の主たる業務は「読解力・図解力」をテーマとする企業研修講師です。社員の読む、考える、説明する力を向上させたいという会社に出向いて、半日〜2日間程度でそのための研修をするのがメイン業務です。
がしかし、実はわたしにはもうひとつの裏稼業があります。
裏稼業、なんて言うとなにやら怪しく響いてしまいますが、別に危ない仕事ではありません。実は、
をしているのです。要するに「教えるテーマは持っているが、それを教育セミナーとして組み立てて講師を務めた経験はない」人のために、準備段階でのコンテンツ作りから、本番での講師としてのしゃべり方、アクションのとり方までを逐一指導するコンサルティングを行っています。
そして2009年9月上旬、開米オフィスでそのコンサルを行っていたときのこと。クライアントの口からこんな言葉が飛び出しました。
それ、いただき!! そのまんま練習します
こう発言したクライアントというのは、営業チーム作りのスペシャリスト、庄司充さん。庄司さんには以前もこのシリーズでご登場いただいてますが、今回は庄司さんが本格的に2日間のセミナーをやるということで、改めてわたしがその相談に乗っていたわけです。
そんな中で飛び出した「そのまんま練習します」という発言。それはこんな経緯でした。
そこで、「そのまんま練習します」という発言が飛び出したわけです。
念のため書いておきますと、わたしには営業職の経験はありません。庄司さんのセミナーは営業チーム作りの話ですから、本来はわたしの知らない世界です。にもかかわらず、元ネタを作った庄司さん本人が「オレの言いたかったのはまさしくそういうことなんだよ!! これなら伝わるし面白い。そのまんま練習します」と大感激するような改善案を作れたわけです。
なぜでしょうか? なぜ、営業未経験のわたしが、元ネタを作った本人さえ想像もつかなかったような、「営業セミナーのイントロとして絶妙のストーリー」を作れてしまったのか?
今回はその秘密の一端をお話ししましょう。大まかに言って6つのワークがそこにはあります。
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