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» 2009年09月30日 18時26分 UPDATE

「渋谷ではたらく社長」よりも上へ――デル スモールビジネス賞、2009年優勝企業決定

2009年のデル スモールビジネス賞が決定した。優勝した企業は大阪の三元ラセン管工業。ブログを利用した受注生産モデルへの転換が評価された。

[塙恵子,Business Media 誠]
photo 三元ラセン管工業の高嶋博社長

 「中小企業の信頼されるITアドバイザーになりたい」――デルが主催する「スモールビジネス賞」の2009年度国内部門優勝企業が決定した。

 スモールビジネス賞とは、デルがIT技術を革新的な形で活用する優秀な中小企業を表彰するもの。2009年は50社程度の応募があり、7社が最終選考に残った。今回優勝企業に大阪の三元ラセン管工業が選出された。

 三元ラセン管工業は、水道やガス用のチューブ、蛇腹状のパイプなどの金属製フレキシブルチューブや、ベローズと呼ばれる伸縮可能な蛇腹部品を設計、製造する企業だ。

 三元ラセン管工業では5つのブログを持っている。高嶋博社長は、毎日自社製品をブログで紹介するなど、スポークスマンとしての役目も果たす。あくまでも会社案内としてインターネットを始めたが、セミナーに参加して「ネットの商売もありなのではないか」――そう思ってネットで注文を受け付けられるよう、Webページを作り替えたという。「作り替えて1週間で受注がきた。これはいけるのではと思った」(高嶋社長)

photo 審査委員の笠原英一氏

 ベローズのメーカーのほとんどは量産モデルで、1個単位の受注には対応していない。しかし三元ラセン管工業はWebから1個単位での受注にも対応し、しかも通常の半分の期間で納品をする。これが反響を呼び、大学や研究所からの注文が増えていった。

 審査委員は、IT技術をうまく活用し、大量生産モデルから受注生産モデルへの転換で成功を収めた点を高く評価している。審査を担当した立教大学大学院の笠原英一教授は「日本の中小企業は疲弊しているとか言われるが、しっかりした会社もあると実感した。シャッター通りになるケースが多い中、三元ラセン管工業は元気を与える企業。ほかの企業の参考になる」とコメントしている。


photo 高嶋博社長の日記

 「これまで名刺交換がすごく恥ずかしかった」と高嶋社長。堂々と名刺を渡せる会社を作りたいと会社の再生を図ってきた。

 「今ではGoogleで“社長の日記”と検索すれば、サイバーエージェントの藤田晋社長のブログ(「渋谷ではたらく社長のアメブロ」)よりも自分のブログの方が上にくる(笑)」。根気強くブログにエントリーし続けた結果だろうと、高嶋社長は分析する。「これまでまったく知られていなかった会社だったが、今では会社見学もくる人も多い。とても満足している」と誇らしげだ。

 なお、三元ラセン管工業は、日本を含む世界13カ国の各国優勝企業とともにグローバル部門の選考へと進む。グローバル部門の優勝企業には5万ドル、それ以外の各国企業には2万5000ドルの製品、およびサービスが贈られる。高嶋社長は2万5000ドルの使い道について、「まだ何に使うか決めていない」と謙虚に答えていた。


 デルのケビン・オケイン執行役員は「デルはマイケル・デルが大学の寮から始めた、小さな企業だった。スモールビジネス賞がスタートしたのは自然な流れ。これからも続け、中小企業の成功に寄与していきたい。今年の受賞企業はすばらしい。選んだことを誇りに思っている」と三元ラセン管工業を称賛した。

photo デルのケビン・オケイン執行役員(右)から記念の盾を受け取る高嶋社長(左)

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