参加する集まりは絞る――「会合疲れ」「ヒマ人」にならないための9個条アラフォー起業家の“継続拡大”人脈術

どの会合でもお会いする人がいるが、なんでもかんでも節操なく参加する人、軽い人、重視されていない人、単にヒマな人というレッテルを貼られてしまう可能性もある。だからわたしは参加する集まりは絞り込んでいる。

» 2009年10月06日 17時45分 公開
[加藤恭子,Business Media 誠]

 どこの会合でもお会いする人がいる。もちろん、自分と興味関心が似ているからお会いするということもあると思う。

 名刺集めや自分を印象付ける、さらにはイベントで新しいことを吸収するという目的があれば、これは有効かもしれない。だが疲れるし、お金もかかる。そして単に交換しただけの名刺は後で生きてこない。

 なんでもかんでも節操なく参加する人、軽い人、重視されていない人、単にヒマな人というレッテルを貼られてしまう可能性もある。「あの人、いつもいるもんね」となると、重要さも感じられない。主催者にとっても、人数あわせの都合の良い人という位置付けになってしまう。また、夜の時間を仕事とプライベートとで有効に使うことを考えると、頻繁に集まりに参加するとバランスが取れなくなってしまう。

 そんなわけでわたしは参加する集まりは絞り込んでいる。振り返ってみると、少人数の集まりで知り合った人のほうが、お互いに印象に残っており、長期にわたる交流が続いているからだ。

 少し前の話で恐縮だが、数年前に開催した忘年会のことである。本当に数人で開催した会合で、主催したのは平の会社員の知人だった。それがいつの間にか、参加者の大半が上場企業の役員となって活躍している。その集まりに声をかけてもらっただけで、元気のいい上場企業の役員の知り合いが“自動的”にできてしまった(自動的にというのは少し大げさで、もちろんお目にかかった人すべてと継続的に交流できているわけではないが)。

 大人数の集まりでは、直接話しても忘れられてしまうし、知り合いたい有名人が参加している場合、ほかの参加者もその有名人と知り合いたいと思っている。そうなると、有名人には大量の名刺が集まり、似たような自己紹介が続き、自分のインパクトは薄まる。

 また、大人数の集まりでは全員と話せないために、参加したのに出会えていないという現象も起きてしまう。とはいえ、いつも同じメンバーの会合にひんぱんに出向いていても居心地がよいだけで、世界が広がらない。そこで以下のようなざっくりとしたルールを作っている。

  • この人すごいなと勝手に思っている人が主催する集まりは、都合がつけば参加するが、事前にメンバーをチェックしておき、あまり自分が浮きすぎるようなら参加しない。
  • 自分主催の集まりは、毎回同じメンバーにならないよう、新しい人も誘う。また、自分の居心地がよくなりすぎるとマンネリ化して進歩がないので、若干苦手な人も混ぜておく。大人数であれば、苦手な人のキャラも薄まり、楽しく過ごせる。苦手な人からは自分にないものを学ぶ。
  • 別の会合で知り合ってまた話したい人は、次に開催する自分の会合に声をかけてみる(特段の用件がなく、単独で会うハードルが高い場合)。
  • 定例会のようなものに毎回は出席せず、四半期に一度程度の出席を心がける。
  • 刺激を受けるために、アウェイな会にもたまには参加する
  • 主催者がいわゆる業界のつまはじき者だった場合は、その会は出ない(仲間と思われないようにする)。
  • 少人数でなおかつ指名で誘ってもらった会は、できるだけ参加する。
  • 体調がすぐれない場合は無理して出ない(初対面から印象が悪くなってしまう)。
  • 主催者によっては入場料が目当てで、なんでもかんでも呼んでいる会もあるので注意する。

 あまり考えずなんとなく参加した会で、お互いに話してみたいけどそのままになっていた人に出会えたこともある。だからがちがちに決めたルールに則って動く必要はないのだが、むなしい「会合疲れ」の結果「軽いヒマ人」のレッテルを貼られることのないようにしたい。

著者紹介:加藤恭子(かとう・きょうこ)

 IT誌の記者・編集者を経て、米国ナスダック上場IT企業の日本法人にてマーケティング・広報の責任者を歴任。外資系企業ならではの本社へのリポートの方法や、離れた地域にいる国籍の違う同僚とのコミュニケーションを通じて、効率よく実施する仕事のノウハウを高める。現在は、その経験を生かし、IT企業・組込み系システム企業のマーケティング・PR(広報)のコンサルティングを行うビーコミの代表取締役として活動。日本PR協会認定PRプランナー。

 日経BP社、翔泳社、アイティメディア、ダイヤモンド社、アスキーなどで連載や記事も寄稿。インターネットを活用したコミュニケーションも研究しており、複数の学会などでブログコミュニケーションやネットPRに関する発表をしているほか、「CGMマーケティング」(伊地知晋一著、ソフトバンククリエイティブ刊)の編集協力も務めた。青山学院大学国際政治経済学研究科修士課程修了。現在は某大学院の博士課程に在籍し、引き続きコミュニケーションを勉強中。


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