経費のごまかしや重大な規則違反ともなれば別だが、結果を出している社員が嘘をついたり、他者に残忍な態度をとったりする程度では大方の企業は何もとがめないのが普通だ。
ルールは人格の代わりにはなり得ない。
――アラン・グリーンスパン(元米国連邦準備制度理事会議長)
組織における「倫理」の解決策の多くがコンプライアンス(規則の順守)を重視しているに過ぎない。コンプライアンスにおける「倫理」の定義は、「誠実さ」あるいは一体性の定義とは異なり、「ルールに従う」ことを基本的に意味する。こうした中身の薄い定義はあまり意味がない。企業の倫理研修などで、米国企業改革法その他の、ルールに基づく規制法規の順守がもっぱら取り上げられるのはそのためだ。価値観を明確にし、そうした価値観や揺るぎない原則に対する誠実さを求める姿勢は二の次にされてしまっている。
その結果、企業は複雑な方針マニュアルを膨大に抱え込むことになる。また、経費のごまかしや重大な規則違反ともなれば別だが、結果を出している社員が嘘をついたり、他者に残忍な態度をとったりする程度では大方の企業は何もとがめないのが普通だ。
(『スピード・オブ・トラスト』89ページより抜粋)
開催概要 | |
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日程 | 1.11月5日(木)〜11月6日(金) 2.2010年2月18日(木)〜2月19日(金) |
時間 | 9時〜17時(2日間とも) |
料金 | 10万1850円 |
会場 | フランクリン・コヴィー・ジャパン セミナールーム(東京都千代田区麹町) |
「どんな状況であれ、信頼ほど即効性が期待できるものはないと断言できる。そして、世間の思い込みに反し、信頼は自分でなんとかできるものなのだ」――。
『7つの習慣』で著名なコヴィー博士の息子、スティーブン・M・R・コヴィーが、ビジネスにおける“信頼の力”を体系化したのが本書『スピード・オブ・トラスト』。
企業の不祥事や社内の権力争い、人間関係の崩壊などが問題視される昨今、新しいリーダーに求められる能力とは何なのか。私たちが行うあらゆる活動の質に働きかける信頼の力を、本書中の“名言”を抜粋しながら解説します。
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