手帳の種類が多すぎる!――選び方、教えます手帳“超”入門(1/2 ページ)

何を選んでいいか途方に暮れる――のが手帳。それもそのはず、日本で入手できる手帳の種類が恐ろしく多いからだ。今回は選び方を考えて見たい。

» 2009年11月13日 08時30分 公開
[舘神龍彦Business Media 誠]

 前回はアナログツールとしてのメリットをおさらいすることで、手帳が今注目されている理由を考えてみた。さて、ではどんな手帳を選べばいいのだろうか。

手帳の種類が多すぎる!

 手帳が未経験の人やメリットを実感したことのない人には、何を選んでいいか途方に暮れるはずだ。それは日本で入手できる手帳の種類が恐ろしく多いことによる。

 昨年私が上梓した『くらべて選ぶ手帳の図鑑』(えい出版社)では、43メーカー164冊の手帳を紹介した。この数字、実はごく1部でしかない。実際には50前後のメーカーが1社平均50種類ぐらいの手帳を発売している。また、同書は綴じ手帳に絞って紹介することがコンセプトの1つだった。そして手帳には後述するように、システム手帳やモジュール型手帳などもあるのだ。

 山手線ターミナル駅のある大手書店によれば、手帳が並ぶシーズンに向けて各メーカーが平台のどの棚をどれぐらい占めるのかは、その年の8月にはもう決まっているという。そして棚に出し切れない商品もたくさんあるという。書店や雑貨店に並ぶ手帳の数は、それこそ数え切れない。夕刻の退社時や週末にこれらの店の手帳コーナーに集まった人たちは、あれでもないこれでもないと手帳選びに余念がない。この光景も当分続くだろう。

サイズ、綴じ方、記入欄で考える「手帳の選び方」

 今回は手帳の選び方を考えてみたい。特に構成要素にフォーカスして、である。ここで言う構成要素とは、

  1. サイズ
  2. 綴じ方
  3. 記入欄

 ――の3つだ。

 また、具体的な製品名は極力控えた。それは手帳をイメージではなく、使い勝手を直接左右するこれら構成要素の組み合わせとして考えたほうがより冷静に捉えられるからだ。

持ち歩くなら文庫サイズがオススメ、たくさん書きたいなら大判も

 サイズは、持ち歩きの頻度や机に広げたときの専有面積、それに記入スペースの多寡と関係してくる。外出が多く外で開くことが多ければあまり大きなサイズだと扱いにくいから、A6サイズ(文庫本サイズ)程度が適当だ。逆に外出の機会があまりなく机の上にずっと広げて使う場合は大きなものでも邪魔にならない。

 最近の手帳は全般的に大型化している。ドレスシャツのポケットからとりだすイメージは過去のものとなり、カバンに入れて持ち運ぶようになっている。前述のA6サイズも、厚みが増し記入ページが増える傾向にある。

 次に綴じ方だ。手帳の綴じ方は次の3タイプに分かれる。

  • a:綴じ手帳
  • b:システム手帳
  • c:モジュール型手帳

 書店文具店の店頭にあるもののほとんどは、(a)の綴じ手帳だ。これはすべてのページがノートのように綴じられているタイプだ。(b)のシステム手帳はリングを持つバインダーにリフィルと呼ばれる記入用紙をセットして使う。80年代にはブームになるほどの人気があった。最近でも熱心なユーザーは使い続けているし、リフィルが自作できることや、カードケースやクリアポケットといったオプションの豊富さなど、ほかの2タイプにはない魅力がある。だが、5000円以上する高価な製品も多く、最初に選ぶにはややハードルが高い。(c)は革や合皮のカバーの内側に2冊以上のノートや記入用紙を組み合わせて使う。綴じ手帳の扱いやすさとシステム手帳の拡張性を併せ持っているが、製品、メーカー間に互換性のあるものが少ないのが残念なところだ。

 現在の手帳のほとんどは(a)の綴じ手帳で、1000円〜2000円程度の価格帯であれば選べるバリエーションも豊富だ。初めて使うのならこのタイプがいいだろう。ただ、拡張性やシステムアップなどを望むなら最初からシステム手帳でもいいだろう。

使い勝手の決定的な差は「記入欄」

「能率手帳1普及版」(JMAM)は、上の見開き1週間(レフト式)と、下の見開き1カ月(ガントチャート型)との組み合わせ

 そして、最後にスケジュール記入欄のパターンだ。見開きページがどんなタイプになっているかに注目してみよう。言い換えれば見開きでどれぐらいの期間を俯瞰(ふかん)できるかである。これも主なタイプを列挙してみよう

  • 見開き1カ月(ブロック型、ガントチャート型、横罫型)
  • 見開き1週間(バーティカル式、セパレート式、レフト式)
  • 1日1ページ

 市販されているほとんどの綴じ手帳は、これらスケジュール記入欄の順列組み合わせによって成立している。1例を挙げれば、「能率手帳1普及版」(JMAM)は、見開き1カ月(ガントチャート型)と見開き1週間(レフト式)の組み合わせ。「ほぼ日手帳」は見開き1カ月(ブロック型)と1日1ページだ。月間のみ、週間のみの手帳も存在するが、多くは1カ月と1週間のページを組み合わせて作られている。それぞれのタイプの組み合わせで製品バリエーションが作られている。

 本質的にシステム手帳やモジュール型手帳の特徴は、これら記入欄を組み合わせられることにすぎない。逆に言えば自由な組み合わせができる点がメリットである。特にシステム手帳は、同じ規格に対応していれば、A社の月間リフィルとB社の週間リフィルを組み合わせたり、目的の異なる複数のスケジュールを管理するのにタイプの異なる複数の週間リフィルを挟んだり、メモを組み合わせたりと自由度が高い。この辺は拙著『システム手帳の極意』(技術評論社)なども参考にしてほしい。

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