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» 2009年11月17日 17時38分 UPDATE

会社で「プリンタドライバのインストール」がなくなる日――「BMLinkS」って何だ?

ドライバをダウンロードして、インストールして、ネットワーク設定をして――オフィスプリンタを入れ替えるたびに発生する、面倒な作業の数々。「BMLinkS」という仕組みを使えば、この問題を解決できるかもしれない。

[杉本吏,Business Media 誠]

 「オフィスのプリンタを入れ替えます」と聞いて、うれしく思う人はどれくらいいるだろうか。たいていの人は「面倒だなあ」と感じることだろう。新しくプリンタドライバをダウンロードして、インストールして、ネットワーク設定をして……そんな煩わしい作業が待っているからだ。

 「BMLinkS(ビーエムリンクス)」という仕組みを使えば、そんな面倒さから解放されるかもしれない。

複数メーカーの機器で使える「統合プリンタドライバ」、実は7割が対応

ts_matsuura.jpg BMLinkSプロジェクト委員会の松浦芳正委員長

 BMLinkSとは、プリンタや複合機、スキャナなど、複数のネットワーク対応オフィス機器をつなぎ、メーカーを超えて連係できるようにする仕組みのこと。名称は「Business Machine Linkage Service」に由来する。

 仕様策定や推進活動を行っているのは、ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)内のプロジェクト活動である「BMLinkSプロジェクト委員会」で、会員企業はキヤノン、富士ゼロックス、ブラザー工業、リコーなどのオフィス機器メーカー11社だ。

 BMLinkSプロジェクト委員会が活動を始めたのは、1998年5月。これまでに、複数メーカーのプリンタが混在した環境で利用できる「BMLinkS統合プリンタドライバ」、文書の保存や共有が行える「BMLinkSストレージサービス」、PDFやTIF形式の文書を閲覧しやすくする「BMLinkSドキュメントビューア」などを提供しており、これらの機能はBMLinkSの対応機器のみで利用できる。

ts_bml1.jpgts_bml2.jpg BMLinkSを用いたオフィス機器管理の説明。各社のドライバをいちいちインストールする必要がなく、アドレス帳や機器設定の移行も行える

 BMLinkSの対応機器は、2009年10月現在で413機種。キヤノン、コニカミノルタ、シャープ、富士ゼロックス、リコーなど複数のメーカーが販売しており、複合機市場でいうと「出荷台数の約7割」に上るという。なお、対応機器は「BMLinkS認証機器リスト」で確認できる。対応を示すロゴマークなども用意はしているが、「実際に機器に貼っているかどうかはメーカー次第」とのことだ。

 11月17日には、BMLinkSプロジェクト委員会のこれまでの活動を報告する記者向けの発表会が行われ、「オフィス機器管理SDK」が発表された。これはSIer向けのSDK(ソフトウェア開発キット)で、マルチメーカー環境のオフィス機器を管理するソフトウェアを作成するための技術資料やサンプルのアプリケーションを同梱したもの。

 発表会では、従業員4000人、導入PC4000台規模の大企業の場合、BMLinkSを利用することでIT管理コストが年間で108〜216万円削減できるという仮想の顧客事例もした。「コスト削減ということで言えば、やはり多くの機器を保有している大企業での利用が、もっともメリットが大きい」という。

ts_bml3.jpg 仮想の顧客事例。オフィス機器の入れ替えや、ユーザーごとの利用状況を調査するためにかかっているコストを削減し、IT管理者の負担を軽減できるという

 BMLinkSプロジェクト委員会ではこのほかにも、2010年5月をめどとした「文書セキュリティ標準化活動」を行っており、「だれが、いつ」文章を複写したかをマルチメーカー環境で検出できる技術の標準化を進めていくという。


 「BMLinkSは、オフィス機器の入れ替えや新規導入時に、メーカーに縛られず製品を選べるというメリットがある。各メーカーにはもちろん『自社の製品のみを使ってほしい』という思いもあるが、オフィス機器市場の拡大と活性化のため、今後も活動を推進していく」(BMLinkSプロジェクト委員会の森田哲也副委員長)

 統合プリンタドライバのダウンロード件数は、2009年2月から現在までで約8000件。ダウンロードを行った人へのアンケートでは、BMLinkS対応機器を「使っている」割合は43%、「BMLinkSソフトを(これから)知るため」と答えた割合は41%だったという。

 BMLinkSプロジェクト委員会の会員企業に名を連ねるのは11社だが、対応機器を販売しているのは、現在のところ一部の企業に限られている。今後、さらに会員企業が増え、対応機器が充実し、ロゴマーク表示の義務化などによってユーザー層へのアピールが進めば、「オフィス機器入れ替えの憂うつ」から解放される日がやってくるかもしれない。

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