Google Waveは仕事に使える?ツール de オシゴト

メール以外のコミュニケーションツールやコラボレーションツールを模索する連載「ツール de オシゴト」。プロジェクトリーダーを任された主人公のマコトがプロジェクトの進行管理のためにさまざまなツールを試します。連載第3回は「Google Wave」に挑戦――。

» 2010年02月05日 13時15分 公開
[後藤康成,Business Media 誠]

 早速マコトは「Google Wave」を試してみることにしたが、どういうものなのかあまり理解していない。なので、情報を収集してみると以下の3点にまとめられるようだ。

  1. 2009年のGoogle主催イベントで発表された新しいサービス
  2. メッセージだけでなくファイル共有などがリアルタイムで行える
  3. Webブラウザで動作

 Webでの情報を見る限りGoogle Waveを一言で言うと、WebメールGmail」、インスタントメッセンジャー「Google Talk」、ブラウザ上でドキュメント編集できる「Google Docs」――の機能を包括したサービスと言えそうだ。

 実際、プライベートでGmailを日常的に利用しているマコトにとって、Google Waveのインタフェースは次世代版Gmailという印象。アイと2人で試したところYammerと同じような機能もあり、企業間コラボレーションツールとして利用できそうだ。ただ、大きな問題はβ版であること。どうやらアカウントの制限もあるようだ。

Google Wave

マコト Google Wave、使ってみてどうだった?

アイ 最初はGmailのような感じかな、と思っていたのですが、実際使ってみると使い方を覚えるまで結構時間が……。よく言えば斬新なんでしょうけど、インタフェースに慣れないとつらいです……。

マコト 僕も最初は苦労したよ。機能的にはどうだった?

マコト 結局、問題はクライアントを含めたプロジェクトメンバーがGoogle Waveのインタフェースを抵抗なく利用できるかどうか――だね。

アイ ですね。クライアントにはITスキルが高くない人もいますし。

マコト なるほど、いずれにしても現段階ではβ版で、一部でしか利用できないから今回のプロジェクトでは難しいかもしれない。

アイ そうですね。実はワタシも前回のYammerを試してみてからコラボレーションツールに注目しているんですが、ウチの会社で利用している「feedpath Mail」のフィードパスがメッセージとファイル共有のサービス「feedpath Rooms」をβ公開したと、Twitterでつぶやいている人がいましたよ。

マコト そうしたら情報システム部門の同期に頼んで、フィードパスからfeedpath Roomsのβアカウントをもらおう。

 早速feedpath Roomsのβ版アカウントを入手した。feedpath RoomsはYammerやGoogle Waveと同じコンセプトの企業間のメッセージングプラットフォームと共有ストレージサービスだ。プロジェクト単位でメッセージング、機能とファイル共有の空間を利用できるのが特徴。テーマごとに分類できるメッセージングやユーザーインタフェースは Google Waveほど先進的ではないが、テーマに沿って時系列にメッセージを表示する点ではTwitterやYammerに似ているかもしれない。

  ITリテラシーがそれほど高くないふつうの企業でも違和感なく使えそうだ。3月1日サービス開始なのでスケジュール的に厳しいかもしれないが、検証を進めよう。

 とりあえず今回のリサーチで、メールに代わるコラボレーションツールは思いのほか多くあることは分かった。ちょっと切り口を変えてみるのがいいかもしれない。「さて、どうしようか」と悩んでいるとアイがこんなことをつぶやいた。「メールを送ることが目的じゃなくて、例えば目的はスケジュールの調整だったりするから、『社内外のミーティングスケジュール調整をどうするか?』を切り口にしてみたらどうでしょうか――」(次回に続く)

今回紹介したツール de オシゴト 概要
Yammer 企業向けのTwitterライクな社内コミュニケーションツール。ファイアウォールの内側にある企業内サーバにインストールする。登録者同士のメッセージはもちろん、過去やり取りされたメッセージを参照することが可能。
Google Wave Googleが2009年に発表した、メッセージングおよびコラボレーションのための新しいプラットフォーム。メール、インスタントメッセンジャー、ブログ、Wikiなどの機能を統合したサービス。
feedpath Rooms メールに代わるプロジェクトコミュニケーションツール。社内外におけるプロジェクトで、メッセージとファイルを共有できそのやりとりを1カ所に管理することが可能。2010年3月1日公開予定。

筆者紹介:後藤康成(ごとう・やすなり)

 フィードパスCTO兼feedpath Rooms エバンジェリスト。シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。技術開発担当取締役としてネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当しビジネス&テクノロジーと幅広い経験を持つ。

 2005年、クラウドからビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立。Zimbraの日本市場展開、ビジネススケジューラーのfeedpath Calendar事業統括を担当するとともに、3月サービス開始予定のメールに変わる次世代企業間コラボレーションツールのfeedpath Roomsのエバンジェリストでもある。著書として「Web2.0 BOOK」など。Twitterアカウントはfeedpath。


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