脳を最適化する5つのステップ3分LifeHacking

脳の最適化とは、頭の中に散らばっている情報を整理整頓して、引き出しやすくするということ。実践するには5つのステップを踏むといいそうです。

» 2010年02月12日 12時07分 公開
[Adam Pash (訳:山内純子),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 コンピューター内部の情報というものは、規則的には並んでおらず、小さな断片が任意の位置に、バラバラに存在しています。それらがバラバラの状態でたまってしまうとパフォーマンスが上がりません。そのため、定期的に整理整頓、最適化してあげる必要があるわけです。今回の記事では、わたしたちの脳、思考にも同じことが言えるのではないかという話をご紹介します。

 ブロガーのDragos Rouaさんは、私たちの脳をコンピュータにたとえ、脳の最適化とは、つまり、頭の中に散らばっている情報を整理整頓して、引き出しやすくするということと書いています。それには、以下の5つのステップを踏むと良いそうです。

1.重点の設定

 これから旅行に行く人、大きなプロジェクトを控えている人、何か新しいことを学ぼうとしている人、そういう方々。まずは今から数日、数週間の間、何を重要視して行動するかを決めましょう。それが重点の設定です。ここで決めたことが、この期間内での関心事、そして義務となります。コンピュータの設定を変えると、アルゴリズムが変わるように、あなたの目的に合わせて、セットアップすることによって、パフォーマンスも変わってくるのです。

2.必要な情報を見極める

 これからの数日間、数週間に何をするか、そのための重点の設定をしたあとは、関連情報を集めます。期限内に成功させるためには、どんな情報が必要なのか。目標達成のために、今から定期的に行った方がいいことはあるのか。新しく身につけた方がいい習慣はあるか。いつも出てしまう悪い癖はないか。こういうこともセットアップの1つです。

 この作業は大まかな枠組みをさくっと決めるものではなく、じっくりと時間をかけてした方がいいそうです。コンピュータでいうと、新しいアルゴリズムを作るときには、動かす前に細かいところをしっかり確認しますよね。とりあえず動かしてみて、おかしかったら再スタート、というのでは時間がかかってしまいます。

 ここでのヒントとしては、作業の過程を記録しておくこと。例えば休日に関してでも、必要な情報や行動、習慣をリストにして記録するわけです。次の年、また休日の計画をする頃、前年の記録をチェックすることから始めれば、時間と労力の節約になります。記録を取るときには、この段階では、時系列にとらわれないメモが有効なので、マインドマップがおすすめです。

3.優先順位をつける

 ここまでで、重点の設定が決まり、タスク達成のためのツールも用意しました。次にすることは、優先順位をつけることです。コンピュータの最適化に関しての知識がある人であれば、頻繁にアクセスされる情報は、ハードディスクの一番手前のところに動かされる、ということがわかりますよね。脳の最適化でも一緒です。よく使う情報は、手が届きやすいところに置いておくのです。

 優先順位の付け方は、あなたの行動パターンに関係します。ラップトップを持ち歩く人ならば、バッテリーの持ち具合を気にしたり、充電できるスポットを探したりするでしょうし、外回りの人ならば携帯電話のバッテリーがなくならないようにするのは重要なことですよね。

 じゃあ、どうやって優先順位をつけるのかというと、まずはそれぞれのタスクを見直して、どのくらい重要かということを1から5までのスケールで考えます。最重要だったら1、あまり重要でなかったら5というように。5を最重要にしたかったら、もちろんそれでもかまいません。自分で分かりやすいように測りましょう。

4.大事でないことは気にしない

 私たちがガラクタを溜め込んでしまう理由の1つに、何でもないものを大事なものだと思って取っておいてしまう、という癖があります。もしくは、誰かが大事なものだと言ったから、とか、深く考えないでとりあえず取っておいている、とかいう理由もあるかもしれませんね。

 脳の最適化の4番目のステージでは、このガラクタに注目します。大事なものを全部、自分の近くに集めてきたら、残りのガラクタをできるだけ遠ざけるのです。ただ、そのガラクタは捨てなくてもいいそうです。遠いところで休んでいてもらいましょう。

 具体的な例を挙げると、旅行の計画をするとしましょう。この場合の「ガラクタ」にあたるのは、仕事に着ていくスーツです。捨てなくてもいいですよね。旅行には必要がないので、クローゼットの奥にでもやっておきましょう。また、新しいものを学ぶというタスクにおいては、テレビを見たり、パーティに行ったりというのが「ガラクタ」です。タスクに集中するために、これらは遠ざけましょう。ここでは、「ガラクタ」になるものを書き出して、認識することが大切です。

5.「ドライテスト」をする

 すべての準備ができたら、「ドライテスト」をしてみましょう。15分だけでもいいので、タスクを実行するある一日の、朝起きてから寝るまでを想像するのです。必要なものは揃っていますか? 優先順位はつけてあります? ガラクタは向こうに押しやりましたか? 

 このテストをパスしたら、脳の最適化に成功したことになります


 最後に、脳の最適化はどのくらいの頻度で行えばいいのでしょうか? GTDでは週ごとに見直すのがいいと言っています。しかし、Dragos Rouaさんによると、そんなに頻繁にする必要はないのだそうです。定期的に最適化するということよりも、設定が変わる(ゴールが変わる)ときに、この5つのステップを踏むことの方が大事なのだそうです。例えば、休暇を取るときに、仕事モードからちゃんと切り替える、というように。

 いかがでしたか? 脳の最適化、次の休みの前にしてみませんか? 新しい年度に合わせてしてみるのも、いいかもしれませんね。

copyright (c) mediagene Inc. All rights reserved.

注目のテーマ